伊豆高原の斜面に建つ築40年の別荘のフルリノベーション。思い入れがあったこと、急傾斜地で基礎の解体・新設に多大なコストがかかることから、リノベーションを選択した。
解体し骨組みを見直すと、「斜面に沿った大屋根に守られたスキップフロア」という個性が浮かび上がった。その個性を所与のランドスケープとして、大屋根の下、内と外とに多様な居場所をちりばめ、それぞれの空間を立体的に繋ぎ直した。
眼下に雄大な海の望める風景、豊かな緑に囲まれた敷地の特性を享受できるように、各場所からの眺望を仔細に検討した。
温泉の出る浴室は2階に移動し、壮大な眺めと開放感を味わいながら入浴が出来、足湯を楽しむリラクゼーションスペースとしても使われている。
ご友人一家とご一緒に、など多家族で使用することも多く、家族間のプライバシーを保ちながら立体的に繋げる事で、部屋で分断されることなく、共に居ることを感じられる場として計画した。
同時に立体的な空間の繋がりは、周辺の緑、海、空の色が相まった光を室内に導いている。
外の居場所として、外構のリノベーションも行った。
テラスを拡大し、ピロティ下にデッキを設け、草地広場をつくり、建物の周りを一周できる石敷きの通路や階段を設える事により、高低差のある様々な居場所を点在させ繋ぎ、滞在性と回遊性を高めた。都心で土や草を感じることの少ないご家族が、緑の中の散策を楽しみ犬と駆け回れるような庭となった。
性能面では耐震補強によって、耐震性能Iwが静岡県の基準である1.2を上回った。
また断熱性能では複雑な形状の既存部分廻りも断熱気密的に連続させ、断熱等級4相当を確保し、気密も高め、部分的に除湿や浸水対策も行い、快適な住環境を重視した。
眺めと環境の良い思い出の詰まった別荘だが、部屋割りなどの空間が使用形態と合わず使いにくかった。
また、古い木造で湿気や虫などに悩まされていた。
思い出の元の別荘の特徴を活かして、広がりと眺めを大切に、友人家族数組と訪れて楽しめる構成。
普段は都会暮らしの子供に庭で土や緑と触れ合う経験をさせたいので、雑草に覆われた庭を散策できる庭にしたい。
外構にも展望のある居場所を散りばめ、それぞれを有機的に繋げています。
海を望むテラスを改修で拡張して、リビングから繋がった家族や友人と集える場としました。 手摺はカウンターのよう設え、眺めを前に佇む場所をつくりました。
解体し骨組みを見直すと、「急斜面に沿った大きな屋根に守られたスキップフロア」という既存住宅の個性が炙り出てきまし た。その個性を活かして、大きな屋根の下、内と外とに多様な居場所をちりばめ、内と外との関係を新たにし、それぞれの 空間を立体的に繋ぎ直しました。
ご友人一家とご一緒に、など多家族で使用することも多く、 家族間のプライバシーを保ちながらも、大きな連続した屋根の下で立体的に繋げることで、 部屋で分断されることなく、共に居ることを感じられる場として計画しました。
個々で寛ぐ小上がりから、吹き抜け階段を介して家族のスペースとを繋ぐ
フレーミングによって、水平線しか見えないピクチャーウィンドーのあるベットルームとしました。
パウダールームと大きなガラスで隣り合うことで、空間を広々と感じられ、 温泉としてはもちろん、足湯を楽しむ等リラクゼーションの場としても使われています。 既存の浴室で使用していたものに近い表情の石を使って温泉の楽しみを増幅しつつ、壁面は白いタイルで明るく清潔感を出しています。
傾斜地に建つ別荘、2階の浴室は窓を開けると太平洋の大海原です。 元は寝室だった場所ですが、床の補強をし、入念な防水を行い石張りの温泉を設え、 壮大な眺めと開放感を味わいながら入浴を楽しめる空間となりました。
寝室はガラス戸を介して皆の居場所とつながっていて、建具の開け閉めでプライバシーがコントロール出来ます。 立体的な空間の繋がりは、周辺の緑、海、空の色が相まった光を室内に導きます。
急斜地で階段も雑草に覆われアクセスしずらかった庭を全面的にリノベーションし、 平らな草地広場やポーチ下のデッキなど、様々な過ごし方のできる居場所をつくり、それぞれをつなげ、 果樹などを楽しみながら散策出来る庭とした。