親子の生活動線が重ならない、完全分離型の2世帯住宅。日当たりや互いの生活音にも配慮。台形の敷地を利用し、LDKのある棟を南に傾けることで日当たりの良さと中庭の広さを最大限に確保しています。
親世帯側の玄関。世帯間で生活リズムが異なり、帰宅時間などが違ってくるため、敷地の3方向を道路に面する立地を生かして、お互いが交差しない位置に両家族の玄関を計画しました。また、生活音への配慮から、2階のキャンティレバー部分に子世帯の水回りを配置しています。その部分が車寄せの屋根も兼ねる設計になっています。
子世帯側の玄関。シンプルな空間に特注の絵画が飾られています。絵画の下にはスチール製の飾り棚があり、空間のシンプルさを強調しています。
子世帯のダイニングキッチンの天井高は3mあり、リビングと同じレベルで広がるデッキテラスにより縦横に広がりを感じられる開放的な空間となっています。キッチンは昇降式のレンジフードを採用し、L字型の水晶カウンターと一体型のダイニングテーブルのみで構成されています。キッチン奥のパントリーやビルトインワインセラーが装備された天井までの壁面収納などにより、収納量を確保しつつ見えるところは整然とした状態を保てる様に工夫されています。
子世帯のLDKの床はタイル貼りとし、グレージュでまとめた全体をアクセントのブラックで引き締めたシンプルなデザインにしています。壁面収納のニッチ部分にティッシュやゴミ箱を仕込む事により、雑多になりがちなリビングの生活感を隠す工夫をしています。
子世帯の玄関近くにあるお客様用の手洗い。ゴールドとグレージュのタイルで仕上げ、手洗いボウルと水栓もシックな雰囲気とし全体をまとめています。壁面にペーパータオルホルダーを、手洗いカウンターにゴミ箱を仕込み、目につくものがない状態が保てる様にしました。
親世帯のリビングルームから眺められる中庭は、両親の寝室からも眺めることができる配置になっています。RC杉板型枠の塀と植栽の緑が織りなす穏やかな景色が広がる一方で、住宅地の中にありながら外部の視線を遮り、プライバシーを確保する役割も果たしています。
子世帯のリビングルームとウッドデッキテラス。天井までの開口部を開けると、同じレベルでつながって空間に広がりをもたらしてくれます。バーベキューを楽しむ時には、キッチンが近いので準備や片付けをするにも便利です。
ガレージとRC塀で囲む形でコートハウスをデザインしています。無機質になりがちなホワイトを基調とした外観を、木の質感をアクセントに取り入れ、玄関横やコートの植栽により柔らかい雰囲気としています。