画一的で均質なものになりがちな住空間に対し、光や風を感じ、屋外空間を介した風景のある日常が、住まい方に変化をもたらすようなイメージで、設計させていただきました。
採光や通風、二世帯ならではのご家族のコミュニケーションスペースに配慮しながら計画させていただきました。
ホームページからお問い合わせをいただきました。330㎡を超える既存宅地に建つ老朽化した戸建住宅を二世帯住宅へ建替えるということで、ご提案依頼を受けました。ヒアリングでは、交通量の多い前面道路の状況や、季節により強風を受けやすいという敷地与件を確認することができました。単世帯から二世帯となる点では、出入口の関係や設備数、間取のイメージなど、提案に際し詳細を確認させていただきました。
平屋建と2階建の2種類の二世帯住宅をご提案し、平屋建プランを選定いただきました。二世帯住宅で平屋建という点で、奥行きのある建築物になりやすく、採光や通風に工夫が必要でした。また 居住人数が増えると一方通行の動線計画では空間的な階層ができやすく、同一フロアで自由に繋がることのできる平屋建てのメリットが薄れると考えました。計画では、建物の中心に約9帖の屋外空間(センターコート)を設けることで、採光と通風を補い、またこの場所を中心に建物全体の動線が回遊可能なものとして設計させていただきました。共用居室である約25帖のLDKスペースやゲストルームを兼ねた和室もこの屋外空間(センターコート)に面した計画とし、プライバシーのあるアウトドアリビングやリビングバルコニーのような特性をもたせました。
画一的で均質なものになりがちな住空間に対し、光や風を感じ、屋外空間を介した風景のある日常が、住まい方に変化をもたらすようなイメージで、設計させていただきました。
二世帯のご家族が集う大開口リビングダイニングです。 造作家具と外壁にも使われるセメント板をアクセントウォールに使用しています。右奥はフローリングとフラットフロアの和室があり、バリアフリー・ユニバーサルデザイン対応しています。
リビングルームのタモ材造作家具はスッキリとした印象の中に上品な設えたを感じます。浮かせたデザインにしたため、掃除も楽にできます。
センターコートは水に強い無垢材で制作。写真でも伝わる天然木のクオリティー。
琉球畳がスッキリとした印象を与えます。センターコートやリビングルームのともフラットフロアなので、開放すると一室のようにお部屋を使えます。
天然木タモ無垢材のキッチン面材を制作し、使い勝手の良さとクオリティーを高めました。深緑のタイルが落ち着きを感じます。 キッチンはあえてリビングダイニングと別にし、雑然とした印象を与えがちな部分抑えました。 キッチンへは左右どちらからでも通る事のできる回遊性があるため、生活動線はショートカットされています。
キッチンからリビングダイニングが見え、配膳も楽なように設計しました。ダイニングからは見えすぎないようになっていて、落ち着いた空間になっています。
洗面室は忙しい時間帯に二人で支度ができるようコンパクトながら使い勝手よくレイアウトしました。 洗面ボウルがひとつなので掃除の手間も少なくなります。
スッキリとしたい来客用玄関と大容量シューズクローゼットがある家族用玄関を分けています。 来客用玄関下には照明を設置し、さり気ない目線の誘導しています。
広い庭に続くウッドデッキはフラットフロアでリビングやキッチンとつながっています。当時は庭の樹木を建築のため伐採してしまいましたが、今は落ち着いた風情を醸しています。
二世帯のバリアフリー化を意識していたため、道路からの高さをなるべくフラットになるようご希望でした。そのため、駐車場の斜度をできるだけ少なくなるよう設計プランニングしました。 また、元々あった庭の植木を活かして作り、照明で外壁を設えました。
50年超の実家を3世代同居の家として新しくするにあたり、ハウスメーカーではなく、建築士にイチから相談して建てたく、何人かの建築士さんにあたりました。
しかし、予算を含め総合的になかなかしっくりこず、最後にご相談したのが本井建築研究所一級建築士事務所の本井先生でした。
本井先生の事務所が比較的近いこともあり、頻度高く相談に乗っていただき、最終的に本井先生に設計から施工までお願いすることとなりました。
今回、3世代同居を平屋で実現したく、家族6人の要望をまとめながら意向をお伝えしつつ、しかし二転三転と変更をお願いしたりと、本井先生には根気よく親身に話を聞いていただけました。また、頻繁に現場にも足を運んでくださったことは大きな安心でした。
半年以上の施工期間、この間コロナ禍の影響でウッドショックや部品供給の遅延等があり、気をもみながら現場を見つめておりましたが、本井先生に何とか最小限の影響にとどめていただき、大変ありがたかったです。
また施工をしてくださった親方はじめ大工の方々も大変気さくで、仕事も丁寧にしていただき感謝の気持ちでいっぱいです。
完成した新居は、それまでの古い家が思い出せないくらいの生まれ変わり様で、モダンな平屋となりました。
施工期間を通して見守っていただいた近所の方々からも、お褒めと労いの言葉をいただき、自分でも完成した実感が沸いてきたことを覚えております。
新居での生活が始まりましたが、この家での暮らし方を模索しています。その中で「もっとこうしたい」ということも出てくるように思いますが、そんなときも本井先生に相談させていただきながら、この家をじっくりと育ていきたいと思っております。
この度は本当にありがとうございました。
今後とも末永くよろしくお願いします。