中山道の宿場町だった岐阜県垂井町住宅街に建つ2世帯住宅の建替え計画。敷地は南側接道、南北に長く各敷地境界が角度を振った変則的な五角形で、敷地境界に沿いながら軸線を持たせ建物外形となる間取りを計画した。宿場町として残る街並みの印象を崩さぬよう、屋根廻り、玄関引戸やバルコニー腰壁に天然木米松をあしらわせ、外壁は吹付仕上にするなど自然素材を用いながらの外観とした。
変形敷地に二世帯住宅を計画。二間続きの和室。ロフトの計画。
要望からは総二階の印象を受けたが南側の接道面には二階をセットバックさせ、建て替え前の落ち着きのある下屋のある外観を設え継承した。年に一度、町内では盛大なお祭りが催される。道路を挟んだ南側隣地には山車が納められている蔵があり、町内の人々は賑わいの中こちらのお宅は皆の立ち寄り処ともなり盛り上がる。そのため玄関ホールを広く取り、袖には二間続きの和室を計画している。間取り全体としてこの玄関と二階ともつながるホールを軸に各居室を放射状に設け外形をまとめた。
中山道の宿場町として栄えた街に位置する住宅の建て替えを意識し、軒及び庇のある外観を作り、重心を抑え、街並みを崩さぬよう計画した。
変形敷地により平面外形は矩形を保っていない。アクセントにもするべくタイル張りとして外に突き出した袖壁は緑が生えるよう意識した。
アクセント袖壁に沿って造ったアプローチには、シンボルツリーと自然石を添えている。玄関ドアも自然素材を意識して、木製の引き戸を計画、内部玄関へとつなげる。
縦格子ガラス引戸から光を取り入れる玄関ホール。列柱の奥には玄関土間からつながる土間収納が広がる。
玄関ホールと二階ホールは鉄骨階段によりつなげている。光や風も繋ぐ。
一階の玄関ホールから階段を上り、振り返るとバルコニーへつながる光の壁が見えてきます。天井は構造の梁を現しアクセントに。右手の壁の堀込部は子ども部屋への扉が並ぶ。
南北に並ぶ二室の子ども部屋はロフト空間でつながっている。
子ども部屋を繋ぐロフト。将来的に間仕切りを起こして二室に分けることができるように配慮。
間接照明を主として二階階段ホールに光を宿す
目線の高さに鏡をまわすことで空間に広がりを持たせる