銀座という格式ある地にふさわしい店舗空間を目指し、創業以来大切にしてきた菓心おおすがのものづくりへのこだわりと、繊細で温かみのある世界観が自然と伝わるよう、設計を進めました。
松屋銀座の今回の区画にあたる共用部には、前面通路が狭いという制約がありましたが、長年多くの人々に親しまれてきたことで育まれた空気感が漂っていました。そうした環境の中でも、空間が周囲に埋もれることなく、菓心おおすがのものづくりの精神がしっかりと伝わるよう、素材選びや細部のディテールに至るまで丁寧に配慮しています。
仕上げ材には、自然な表情と温かみを持つ砂岩をメインに採用し、全体に落ち着きと品格をもたらしました。また、ディスプレイには過去の店舗設計から引き続き作家ものの工芸器を主役に据え、その他の仕上げについても、これまでの菓心おおすがの店舗仕様をさらにブラッシュアップしました。これにより、素材そのものの質感や作り手の想いを空間全体で表現し、菓心おおすがの世界観を来訪者に届けられる空間を構築しています。
さらに、展示ディスプレイの動線や視線の流れを考慮することで、商品そのものの魅力を最大限に引き出し、訪れるお客様が菓心おおすがの「ものづくり」への情熱をより深く感じられるよう工夫しています。
伝統と革新が交わる銀座の地で、菓心おおすがの想いとこだわりがより多くの方々に届き、この空間がブランドのさらなる魅力を広げる一助となることを願っています。