フレームの境界線
今回のプロジェクトは以前飲食店として利用されていたテナントを改装したカフェの計画です。
以前のテナントは面積的な広さはあったものの空間的な圧迫感を感じました。
そこで外部的要素を取り入れることにより広がりのある空間が出来ないかと考えました。
提案するカフェは、アイアンのフレームだけで外部的空間と内部的空間を構成しています。
また、そのフレームは開放的な空間を保ちつつ空間をゆるやかに仕切っています。
開放的な空間には、木の鳥かごを連想させるようなアイアンのフレームを
空間に点在させることで、外にいるような感覚をつくりだし、
カウンター席・ソファー席・テーブル席とそれぞれの空間に意味を持たせています。
また、アイアンのフレームやカウンター席をお店の軒先のようなデザインとすることで、
内部でありながら外の空間を感じることが出来るような工夫を施しています。
今回コンセプトを考える上で開放感を感じながら空間を仕切る方法を考えた際、
ふと神社の鳥居の空間が思い浮かびました。鳥居という存在は、
シンボルであり神社と他の敷地を分けてくれる役割を担っています。
神社を参る際、鳥居をくぐると別世界にやってきたような気持ちになります。
開放的なのになぜか人々は“空間が仕切られている”ように感じます。
このような感覚をこのカフェに応用しています。
アイアンのフレームを使い、意図的につくりだした違和感のある空間が広がっています。
フレームの境界線