敷地は北東に景色が広がり、遥かに関門海峡を望むことも出来る緑多い丘陵の住宅地。
多忙な夫婦2人のための小住宅である。
プランニングにおいては、開放的なリビング・ダイニング、それに接する趣味室、離れた印象の茶室、寝室と、その性格に応じた外部との繋がりに特に配慮している。
リビング・ダイニングは、北面することによって、安定した順光で景色を眺めることが出来るとともに、柔らかな木質、漆喰と相まって穏やかで落ち着いた空間となっている。
パノラマ状に景色を枠取る出窓は、腰掛けての快適な窓辺の空間としても生きるよう寸法、ディテールに細心の注意を払った。
LDKと入れ子状に接する趣味室は、格子で仕切った半独立空間。
3m×2.5mのL型の机を設け、2人は趣味、仕事と思い思いに時を過ごすことが出来る。
南側道路は西に向かっての上り勾配となっており、敷地西側は前面道路より約1m下がり窪んだ印象である。茶室及び前庭をその敷地南西角に配して、周囲より隔たった閑やかな趣となるよう図った。
茶室は、客座の天井を竹の詰め打ちとし韓紙を載せた。その隙間から洩れる光と翳りが僅かに交錯する。他をシンプルで抑制した意匠とすることで、柔らかな陰影と自然を親密に感じることができる空間となるよう意図した。
外観
ダイニング・リビング
ダイニング・リビング
ダイニング・リビング
ダイニングより趣味室
趣味室
趣味室
廊下より茶室
茶室「双庵」
外観夕景