東京の古き良き下町の面影を残す千駄木。限られた敷地を最大限活かすべく木造3階建住宅としました。
それぞれの階により仕上げ、雰囲気、特徴が異なり、お住まいになれる方の生活シーンを楽しく演出できるように考えました。
1階は外部玄関から続く左官仕上げの床は土足のままでも歩けます。その奥は落ち着いた個室。
2階はヒノキの無垢フローリング床のLDKでロングカウンターのキッチンはモダンでクール。
3階は全て琉球畳を敷き詰めて和の雰囲気。
そしてそれぞれの階を吹き抜けを通して光と風が通りぬけます。
建て詰まった界隈にあって、明るさ、風通しの良さを追求した住まいでもあります。
2階のLDK. 3階の吹き抜けからの光で明るいお住まいになりました。
暗い夜の街にもアクセントを与えるべく、ライトアップした外壁。 レッドシダーという天然木の外壁です。
昼は自然光、夜は間接照明の光が建物内部を回ります。
下部に光を落とし、限られた空間を圧迫しないようにできるだけ軽快でいながら存在感のある階段を目指しました。鉄骨屋さんと大工さんとの協働作業で理想の階段が出来上がりました。
1階の個室手前の廊下に洗面台を設えました。 狭小住宅ではありますが、広々と解放的にお過ごしいただきたいからです。
2階の中央に位置するキッチンはオリジナル。狭小住宅で狭さを感じさせないためにカウンターの奥行きは55センチ。合わせてレンジフードも奥行きが小さいものをチョイス。収納もたっぷりある4メーターのロングカウンターキッチンです。
狭小住宅の設計のポイントは限られた横(平面)だけでなく、いかに立体的な抜け、高さを作るか。 階段は大事な抜けの空間です。
都心は防犯的に閉鎖的なお住まいになりがちだけど、解放的なところは残したい。 ドアを開けると光がお出迎え。
3階は一室の琉球畳の和室。奥は小上がりでちょっと落ち着く茶室のようなスペースです。
こちらは賃貸で計画しましたが、将来夫婦で住む予定です。自分の生まれた街でもあるこの街の顔ともなるファサードにこだわり、建築家と何度もいろいろな種類の外壁やサッシを検討し、理想の和モダンを体現できました。