軽井沢駅から北に進んだ、旧軽井沢のエリアの山の中腹において、縁あって別荘の設計を行いました。
計画中は、何度も足を運び、冬の景色、春の景色、夏の景色の変化を見ながら、豊かな自然を体で感じました。遠くまで見渡せる景色、春には、肌を優しく撫でるような風を感じ、目を閉じて耳を澄ませば鳥のさえずりが優しく耳に響く、こんな自然環境における、ふさわしい建物を求め計画進めました。
この建物には、計画段階から”観風荘”という言葉を建て主からいただき、この名称を大切にしながら、建築の在り方を考え、自然の中に静かに身を置く存在を目指し、併せて、風と共存することを意識して、屋根形状、平面形状などを決めました。
斜面地という厳しい条件とともに、美しい借景が楽しめる計画地。斜面が敷地に対して斜めに下るために生み出された平面計画と屋根形状。この屋根形状は雪も自然に受け流します。断面計画では、借景を室内に取り込みながら、豊かに広間ですごせるようにしています。また心身ともに落ち着いて休めるように、和室と寝室については、天井高さを抑えるなどの高さ方向の操作も行い、平屋建てでありながら豊かな室内環境を持っている建物です。