山の窪地の見渡す限りの広い茶畑の中に建つ住宅です。
緩やかな周囲の傾斜に合わせ、南側の庇を長く突き出した建物は広く広がる浅くて低い勾配のシルエットで構成しています。
プランは周辺地域の慣習を考慮し、農作業の途中でも気兼ねなく立ち寄れるように、中央を貫く土間を介して、客間と家族の空間を分離しています。
土間には広い敷板があり、座敷に上がらなくても気軽に座れるスペースとなっています。
リビングは全開放の木製サッシを設置し、外部デッキと共に広い庭や茶畑と、外へと広がりを持ってつながる開放的な造りとしています。
フルオープンなリビングは木の優しさを感じられるように床や天井の仕上げに自然の風合いの木を十分に使用し、緩やかな勾配の天井は木の魅力を十分引き出し、外部と繋がる開放的な空間となっています。
リビング中央は扇型にくりぬかれ、畳スペースとなっています。上部の隠し扉を開けば、将来子供部屋にするための隠し部屋があります。
カーテンの代わりに目隠し用の障子が備えられています
建物中央を南北に貫く土間は、建物背後の茶畑を建物に取り込み、プライベート空間とパブリック空間を分ける役目もしています。
土間を挟んでリビングと客間(和室)が配置されています。
縁無し半畳畳のシンプルな空間の和室も天井は屋根勾配に沿った緩やかな勾配となっています。