ご夫婦とお子様2人のお住まいです。
敷地は、長年売れ残った土地が点在する、計画された住宅街の一角。
一定のプライバシーは保ちながらも、
建物や敷地周囲とのつながり感をつくる方法はないのだろうか。
計画的な緑地帯を土地に絡ませることで、境界線を融けこむようにできないか。
そういったイメージを出発点として計画をはじめました。
塀をつくるのでなく、建物と敷地の間に並木道のような場所的な境界とすることで、
周囲に対して寛容さを醸し出せないかと考えました。
そこで、上部が通路になったリング状の築山を設け、プライバシーを保ちつつ、
内外をゆるやかに繋げて区切っていきました。
そして、築山の内部に建物を配置。
築山が住まいを2カ所で貫き、建物と外部とを繋ぎます。
住まいへのアプローチは、C山の上の通路を伝って建物の入口へ。
建物中央のダイニングを中心として①リビング②子供室③キッチン④水回り+寝室の4棟を配置。
建物を分離して配置することで、各々のスペースが外部と繋がりあい、
築山の内部との間にそれぞれの外部空間をつくり出します。
それぞれの庭に将来植栽を植えていき、
多様な景色が住まいの内部から展開できると考えています。
築山と敷地境界の間のスペースも植栽を植えることで内外の景観を変化させたり、
外部に開いたスペースとして活用していければと考えています。