100年近く大切に住み継がれてきた家を、佇まいはそのままに、これからも永く住み続けられるように機能を上げて再生しました。今では珍しくなった”曳家”(ひきや)を行ない、構造補強を行なった上で、古くからあった佇まいの位置へ職人たちの手で優しく戻しました。
外観は、古民家の良さを残しながら、和風モダンのデザインを採用しました。内部は古民家がもつ貴重な資源を多く利用しています。
古くから残る太い梁の力強さを表現し、地域の人々を迎い入れる土間を広げ、急な来客へも対応ができるように計画しました。
和室は、天井板や梁、建具などを再利用し、元の雰囲気を残した空間に。内部家具は、納戸に眠っていた家具を現在の暮らしに合うようリメイクしています。
地域と繋がりながら生きること、家族との安らぎのもてる生活ができること、施主のご夫婦の住まいへの想いが詰まっています。この家を住み継いできた先代への感謝をデザインに織り込み、この地域で住み続けることのできる住まいです。