佐賀県との県境に近い雷山の中腹、遠く玄界灘を望む別荘地に建つ別荘の計画です。
傾斜地の細長い敷地形状に合わせ、長さ約40mのゆるやかな弧を描く平面形が、連続するトップライトを持つ切り妻の瓦屋根によって覆われています。眺望の確保と、高いレベルで接道する前面道路との関係から、建物本体はピロティー形式の高床構造となっており、ずべての部屋はゆったりとした奥行きのある展望バルコニーに面してリニアに配置されています。
エントランスドアを開け寒緋桜の植わった中庭を見ながらエントランススペースを下ると、テンションロッドの連続する屋根架構が特徴的なギャラリーに導かれます。ゆったりとした幅員を確保した廊下を兼ねたギャラリーには、絵画を展示するためのスペースとしても利用されます。
室内は、約30畳のリビングダイニング、独立したパウダールームを持つ2つのベッドルームと和室、供給される天然温泉を利用した浴室などで構成されており、屋根架構を現した高い天井高と電動ブラインドが内蔵されたトップライトからの明るい光が特徴的なインテリアとなっています。
トップライトを含む居室の開口部にはLow-eペアガラスを採用、屋根、壁面には通気層を持つ高い断熱性を確保し、床吹き出し方式の空調を採用するなど、快適な居住環境の確保と環境負荷の低減を目指しています。
雷山の別荘|建物外観 空中に持ち上げられた平屋のボリューム。緩やかな弧を描く連続的なトップライトのある瓦屋根が特徴的です。
雷山の別荘|エントランスホール 玄関から寒緋桜の植わった中庭を回り込むようにエントランスホールへと導く階段。壁面の鉄平石の小端積みとスチールサッシのシャープなディテール。
雷山の別荘|中庭 玄関から寒緋桜の植わった中庭を回り込むようにエントランスホールへと導く階段。
雷山の別荘|ギャラリー 各室を結ぶ廊下はゆったりとした幅員を確保し、絵画展示のためのギャラリーとして利用できるように計画されています。
雷山の別荘|リビングダイニング 大断面の集成材とテンションロッドによって実現した約30畳の無柱空間のリビングダイニング。
雷山の別荘|リビングダイニング 大断面の集成材とテンションロッドによって実現した約30畳の無柱空間のリビングダイニング。
雷山の別荘|ベッドルーム 構造材が現しとなった勾配天井のベッドルーム。リビング同様大きな窓からは福岡と佐賀の県境にある雷山の山々の景色を眺めることができます。
雷山の別荘|シャワールーム ガラスモザイクタイルの透明感のある壁面。間接照明で明るく印象的な空間となっています。
雷山の別荘|温泉浴室 二方向の大きな窓を開け放つと露天風呂の雰囲気を味わうことのできる温泉浴室です。
雷山の別荘|展望バルコニー 36mの長さのあるパノラミックなデッキスペースです。どの部屋からもりようすることができ、福岡県と佐賀県の県境にある雷山の山々のパノラミックな景色を楽しむことができます。