若い夫婦と小さな子供の3人家族が東京から八ヶ岳の麓、山梨県北杜市への移住するための住宅。
都会からの移住者にとって地域との関わりはとても重要な要素である。
そこで地域の人々と接するキッカケとなる様な大きな縁側や展望台、出窓や物干し等の「のりしろ空間」を住居と地域との間のバッファーとして配置した。
内部空間はどこにいても敷地南の庭や北側の森とよりダイレクトにつながるように立体的なワンルームとした。
大きな空間の中で家族全員が共に過ごす時間を共有し、お互いが別のことをしていても一体感のある広場やカフェのような公共空間に近い状態を目指した。また、大きなワンルームは室内環境も共有することができエネルギーを効率的に使用することにもつながる。
寒冷地ということで暖房のシステムには特に配慮し、エアコン1台で床下空間を温め床のスリットから暖気を放出することで室内温度を均一にし、少ないエネルギーで家全体を温めるシステムとしている。
すでに住み始めてから地域の人から野菜をもらったり、造園のアドバイスをもらったりと「のりしろ空間」を介した地域との交流が生まれている。
移住という大きなハードルを越えるためにこの家が少しでも寄与できればと考えている。
大きな木製サッシを開くとデッキにつながる天井高の高いダイニング。キッチンは天井高さを抑え、ダイニングとは白いレンガタイルを貼った壁と区切っている。
家を南北方向に横断するリビング・ダイニング。大きな屋根に囲われた家の中、どこにいても家族の気配を感じることができる。
2階にはワークスペースがありリモートワーク等、リビング・ダイニングを見下ろす配置は夫婦の仕事部屋。仕事をしながら子供の遊んでいる様子を見ることができる。天井と壁は構造材表しとし、壁は柱材を利用し一面棚としている。
出窓に面した和室は日中、子供の遊び場所となり夜は寝室になる。入り口の引き戸により個室として仕切ることが可能。
2階も含めたワンルーム空間として設計しているので、どこに家族がいても気配を感じることができ安心できます。床下に設置したエアコンとワンルームのおかげでどの部屋も均一に空調され、エアコン1台でほどずべての部屋の空調を賄っています。また、最近リモートワークが始まりましたがワンルームで部屋がつながっているためwifiの効きも良く満足しています。