森下駅からほど近く、都市部での交通が良い。細長い形状ではあるが、前面にゆったりとした道路、背面に細めの道路に面した、2面接道の敷地である。前面に1戸、背面に2戸の住戸を配置して、ワンフロア3戸の基準階によってされている。階高は、構造上許される範囲で高くして、天井高は高く全戸にロフトをもうけている。貸し出しの面積としてはカウントされないが、他にない売りとなるし、住まい勝手は抜群に向上する。
おそらく、我々が設計してきた集合住宅の中でも、もっとも分かりやすい「デザイナーズマンション」である。コンクリートとガラス中心の立面、3メートル以上の天井高、住環境のスペックとしてはいささかオーバーではあるが、多様な暮らしのうちの1つとしては、面白みがあると考えた。ちなみにガラス張りの住戸は、戸数でいうと全体の3分の一ほどである。
インテリアは、コンクリート、ガラス、木、のバランスを考え、メンテナンス性が担保された範囲で、「カッコイイ」印象をもたせた。エントランスには少しずつ仕上げの質を違えた天然石の重ね上げた壁を配置して、内部が一望できないように動線を工夫している。同じ材料でも色が違って見えるのはこの仕上げの質のためだ。緑も、わずかではあるが配置することで、柔らかさを演出している。
正面外観。2〜5階はガラス張りとした。
エントランスは、裏に回り込むようにしつらえている。壁は、仕上げの異なる同じ御影石を積み並べて、表情に変化をもたらせている。
正面外観。
住戸タイプによって、少しずつ異なる。
大きな開口から外を眺める。
正面側の住戸。コンクリートとその他の仕上げが入り混じる。