東横線学芸大学駅からほど近くに建つ5階建ての集合住宅である。賃貸住宅を9戸と店舗からなる鉄筋コンクリート造の建築だ。基準となる住戸は13㎡〜14㎡程度と小さいものだが、最低限必要なものをうまくまとめつつ、楽しさを盛り込むように考えられている。例えば、全ての部屋に障子戸が用意されている。その他、最上階には少しゆとりのあるメゾネットの住戸、道に面した一階は店舗用のスペースが設けられている。
事業としては合理的に収益を上げる必要があるが、住まい手にとって魅力的でなくては、長期的に価値のある資産とはならない。この建築では、コンパクトながら質の高い空間を提供することで、それらの両立を目指している。限られたスペースでの可能性を見せることができたと思う。
外観。写真の奥の方に、東横線の高架が通っている。
1階が店舗、2〜5階が住戸となるのに合わせて、 外観もコンクリート打放しと吹き付け仕上げとを切り替えている。
共用部の階段は落ち着いた色調となっている。
タイプAの住戸。浴槽とトイレがセットで配置され、スペースが有効に活用されている。
ゆったりとした最上階のメゾネット住戸。 4方向に開口部がとれているので、かなり明るい空間となった。
タイプCの住戸。角部屋となるタイプCの住戸。
路面店となる1階店舗スペース。現在は飲食店が入居している(美味しいらしいです!)。
外観夕景。ちょうど東横線が通過したところ。