井の頭の家

  • 注文住宅・新築戸建
  • テラス
  • 戸外空間
  • 書斎
  • 吹き抜け
  • 全開放
井の頭の家

朝ごはんを楽しむ45度に振ったテラス

井の頭公園からほど近く、都心からもほどほどの距離にありながら、緑豊かで空気の美味しい場所を求め、建主が探し出した敷地である。雑木林の渓谷といった風情の残る玉川上水の近く、住宅街ではあるが道路から奥まったところに立地するため、静かな環境が保たれている。ここで、外で朝ごはんを楽しみたいという要望を受け、緑豊かな戸外空間を中心とした住宅を計画した。

南北に対しておおよそ45度振れた矩形の敷地にL型の建物を素直に配置すると、庭がちょうど南に開くように残る。そこに、南を正面として(建物から45度振って)四角いテラスを設けた。シンプルな操作だが、敷地の一番遠くへ視線を向かわせることができ、建物の近くにも植栽スペースを残すことができる。造園家による、大きな木を植えるために四角いテラスの角を一部欠き込む提案で、より居心地がよい場になった。花が咲き実のなるさまざまな樹木を植え、小鳥がやってくるような環境を目指し、季節の移り変わりや1日の移り変わりを楽しむ場所を目指した。


1階にはリビング(ダイニングキッチン)、書斎、浴室がこの庭を囲うようにL型に配置されている。開口部は全開放できる木製の引き込み戸としているが、それぞれの場所に応じて大きさを変え、庭のさまざまな表情を感じ取れるように意図した。2階の寝室と予備室は、直接外部を眺めることなく、吹き抜けを介して外と関係するように配置した。内部の引戸で仕切ることで、外の世界との距離感を住まい手が柔らかくコントロールすることができる。

私はいつも場所の特徴を生かした設計をしたいと考えている。都市近郊の住宅街でその土地特有の特徴を見出すことは容易ではないが、今回は私共の事務所からも近いということもあり、日々感じている、都心に近いながら自然の残るこの土地ののどかな雰囲気を、この住宅でも生かすことを目指した。(佐久間徹)

新建築住宅特集9月号(2018年)掲載

テラスの一部を欠き込んで建物と庭の距離を近づけている。

道路側から敷地奥をみる。手前を左手に進むと玄関。

玄関から奥をみる。左に腰掛けと右にはクローク。

吹き抜けのあるリビングをみる。南の角に開口部としている。

キッチンからリビングをみる。開口部は木製の引き込み戸として、全開放することができる。

木製の引き込み戸は、障子のような雨戸、ガラス戸、簾戸の3枚で構成されている。

キッチンから書斎をみる。奥に洗面と浴室。仕事場と家事コーナーを一体として設けている。

浴室は石貼り、浴槽に入ってから庭を眺める小さな開口部を用意した。ベンチでは座ったまま体を洗うとこができる。

2階の居室は、吹き抜けを介して外の世界とつながることで、落ついた場所となるよう考えた。

夕暮れ時。照明は必要最低限としている。

作者
佐久間徹設計事務所
概要
所在:三鷹市
用途:個人住宅
竣工:2018年4月
構造:木造
階数:地上2階
敷地面積:173.45㎡
建築面積:57.61㎡
延床面積:86.59㎡
設計:佐久間徹設計事務所
施工:匠陽
造園:彩苑
撮影:見学友宙
建築費用