土間を中心に「みんなの居場所(LDK)」と「個の居場所(個室群)」をL型に配置。LDK、土間、軒下、庭が一体となった空間構成です。石畳のアプローチに導かれ、玄関を入ると奥行きのある土間が伸び、 外部空間である軒下に土間が広がり、離れのように配置された個室群の前にも土間が折れ曲がって広がっています。ダイニングで、土間で、軒下で、お庭で、、、生活の楽しみが広がる住宅です。
白い塗り壁の外壁に、プライバシーを守るべく木製の連子格子。格子は全長13メートル。その連続感は、見応えがあります。足元に置かれた行燈とともに、奥へ奥へと導かれる雰囲気を醸し出しています。
軒の出は、2メートル。大きな開口部とともに、垂木が室内から室外に連続して跳ね出しているので、内外の空間に一体感が生まれ、より大きく、より伸びやかな感じがします。夏場の日よけ対策にもなっており、風通しも良い住宅なので、エアコンを殆ど使わない生活を送っているそうです。
土間は奥まで伸び、「みんなの居場所」と「個の居場所」とは離れのような関係。土間は外部の軒下にも広がり、個室群の前にも折れ曲がって広がっています。そして土間の中央には、薪ストーブを配置。
屋根を支える垂木が、外部の軒先まで延びているデザイン。内部外部とも天井は貼らずに、野地板や垂木を表しとしています。垂木のサイズは57×210mm。303mmピッチで連続する垂木の美しさが特徴の建物。レコードを収めた吊戸棚がスッと伸び、奥行きを感じます。
キッチンから、土間を挟んで個の居場所(個室群)を見通した様子。個室群の一番手前は和室。客間として使われますが、お子さんが小さい間は遊び場となり、キッチンからも遊んでいる様子が窺えるような空間構成。お庭に向かって屋根が傾斜しており、細かく刻まれた垂木とともに、庭へと広がる視界の方向性を助長しております。
みんなの居場所と個の居場所(個室群)を繋ぐブリッジから見た土間の様子。土間を挟んで、離れのような感覚の空間構成。フローリングには、ブラックウォールナットの無垢材。重厚感があります。土間に敷かれた石畳との相性もバッチリです。
洗面台は造作、浴室も在来で作っています。浴室と洗面脱衣室とは大きなガラスで仕切られており、空間的な一体感があり、広く感じます。壁面には真っ白なタイル。表面が波打っており、光の反射が美しい陶器質タイル。
長さ9メートル、長い廊下を活かした大容量のファミリークローゼット。トイレの扉も一体化して納まっています。廊下を単なる通路として終わらせるのではなく、長い壁面を利用し、大きなウォークスルークローゼットとした様相。布団や各部屋に入りきらない物も、みんな仕舞えちゃう大容量の家族収納です。
沈む夕日を背景に、伸びやかな水平ラインを強調する庇、シンボリックな薪ストーブの煙突、白壁と黒い板壁とのコントラスト、お庭を囲うように広がる連続した垂木と、石畳の外土間。静粛と躍動とが同時に存在する空気感。平屋ならではの大きな屋根に包まれつつ、生き生きとした生活模様が感じ取れます。