建築家展を通して出会った建て主の方と、資金計画から始めて様々な課題を一緒に乗り越えて実現に至ったプロジェクトで、音楽が趣味の共働き夫婦のご家族と、愛猫と暮らす叔母さまとの完全分離型の二世帯住宅です。
敷地は都心の住宅密集地にある細長い変形敷地で、三方向を建物に囲まれています。南西方向にある唯一 ” 抜け” を生かせる位置に外部空間(1階のコート、2階のデッキテラス)を設けたコートハウスとして、周囲の視線から内部を守りながら居住環境を高めています。天井の高さにはメリハリを与え、高さ制限いっぱいを使って屋上テラスまで計画。住宅密集地でありながらも、空の広がりや光や風という自然の恵みを満喫できる住まいになっています。[写真:大沢誠一/Archiplace]
間口の狭い敷地なので、道路面に耐力壁を設けずに、ピロティ状の駐車スペースとアプローチの幅を無駄なく確保している。
子世帯は玄関のみ1階にある。その他の1階には叔母様と愛猫の住まいがある。
手前はダイニングキッチンで、リビング側の床が少し上がったスキップフロアになっている。板張りの天井が視線を誘導し広がりと一体感を与えている。中間には家族のワークスペースある。
家電などの収納を側面に設けた対面キッチン。キッチン背面の大きな窓により、敷地の長さを活かした広がりを生み出している。
リビングはデッキテラスに面していて、デッキテラスの先に離れのピアノ室がある。
子供室には大きな出窓を設けて狭さを補い、天井を高くして開放感を出している。
収納を兼ねた箱階段を上がるとロフトと屋上テラスへ。屋上テラスに出ると360度の視界が広がり、子供と一緒に星を観察することもできる。
デッキテラスには日差しや雨を遮るオーニングを差出すことができる。上部3階の子供室の出窓は庇の役目も果たしている。
ダイニングキッチンからリビングを通してデッキテラスが見える、その先に離れのピアノ室がある。