富士山と愛鷹山に囲まれた標高1000mの十里木高原にたつセカンドハウスです。
9坪と小さな住まいですが、氷点下数度となる場所で通年過ごせるような仕様としています。
全てがシンプルな木の手づくりの住まいです。
予算を決め出来ることは自分たちで楽しく行う。 地元職人さんたちと楽しくつくる。 小さいからなんとかなると気楽に始めた計画。 まだまだやることはいっぱい。 計画の最初は家族総出の樹林の切り拓きでした。
南東下がりの斜面。正面には愛鷹山、背面には富士山がある。キャビンから愛鷹山の山容は美しく見えるが、富士山は樹林越しに頂きが僅かに見える。 道路に出ると富士山の全貌を見ることが出来る。ここに来るときは富士山が出迎えてくれる。
40年の間に樹木や下草が鬱蒼としてしまつた。 家族総出の伐採、刈り取りから始めることとなった。 建物入口にあるモミジ、アプローチのカマツカ、奥の大木モミの木、サクラと残したい樹木の間に建てることになった。 入口のモミジはこのキャビンのシンボルツリーで5m以上の高木。 天窓からの枝葉と空の風景は素晴らしい。
自分たちの価値観でものを考えると、シンプルでローコストなものとなる。 外壁は貫板。でも耐候性に優れた杉の乾燥材である。 半貫は割高なため貫の大和葺きとなった。 ビス止としたので交換が容易だ。 玄関扉は下地に使う杉の3層合板、定尺使用だ。 軒裏は安価に手入れた桧の合板。 これもビス止。 入口のステップはU字溝。 地場て調達した噴石(スコリア)で地盤をつくっているので雨にも崩れない。 アプローチ、建物廻りも水はけが良く、水はねが無い。 砕石より安価で軽いため運搬も楽である。 斜面の土留はここの地面に埋まっていた小ぶりの噴石。 木材保護塗装、シーリングはDIYで行った。
床は杉の3層合板ビス止。 壁は構造現しと設備廻りのシナ合板壁。 汚れが気になる床と壁はフレキシブルボード。 天井のシナ合板張りは経済性優先。 材料は歩留り良く、出来るだけ構造材、羽柄材を使用。 湿気防止のため高くした床下はDIY材料、ペレットの収納。 設備配管、電気配線の点検は容易に出来る。
外断熱壁としたため構造現しである。 また全て木であるためDIYが容易だ。
ベンチの上にクッションをのせソファ風にアレンジ。 絵皿は12ヶ月の花々。東西南北に春夏秋冬を配置する。
外部の樹木を照らす照明、暖炉の明かり。 くつろぎの明かりを楽しむ。
この住まいの視線の落ち着く先に愛鷹山がある。
大開口である。 総重量とペアガラスの最大寸法から考える。 中桟をつけて約53KGにおさえる。
設計者本人の住まいです。
建築費550万という低予算。
満足できるものをつくるという夢。
分離発注とDIY、
職人さん達との協働でつくりあげました。