道路に対して間口が約26Mある敷地であるとともに、高台に位置するため、甲山から大阪方面までを一望できるロケーションを生かした計画である。
塗装と打放しで塗分けられたデザインはFIXガラスの配置も相まって、軽快なリズムを生むと共に、水平方向の強調された迫力あるファザードとなっている。
また夫婦と息子夫婦の2世帯が生活し、一部にはオフィススペースが設けられているにも関わらず、統一されたファサードの中で、3つのスペースが確保され、それぞれが独立した環境を成立させている。
2階にはLDKをメインに配置し、大開口を実現するため、構造上、梁などの影響は受けるものの、大開口と構造をうまく利用した水平方向の開口部が、風景をうまく切り取り、同じ空間の中で、様々な変化がこの中には存在するだろう。
躯体を露しとし、打ち放しと白塗装で統一されたデザインの中にも、室内に配置された植物や、外部環境、古材などの質感が空間自体に温かみを生み、住まいの環境としてより良いものになっている。