敷地は、神戸市東灘区魚崎に位置し、前面道路をはさんで住吉川が流れている。この一帯は地震後に徐々に整備され、現在は川の両側に土手が設けられ、犬の散歩道やジョギングコースとなっていてとても、いい環境となっている。
敷地形状は、少し変形した形になっており、川沿いの遊歩道に、4.5mの細長い間口で敷地は接していて、そこを通って広い敷地へと入っていく。その細長い通りが、南北に走る住吉川に対して垂直に伸びる軸線となっているため、建物は必然的にその軸を中心にして左右に配置され、また外観は四周住宅やマンションに囲まれているため水盤を中心に壁面で構成されたコートハウスとなっている。壁面の割合を増やしたことで、あらゆる壁が、光と影のキャンパスとなり、季節の移り変わり、日の移り変わりなどを楽しむことができる。
また、建物に囲まれた水盤は、光の反射により建物内を明るく照らし、天井や壁にゆらぎをもたらし移ろいを与えてくれる。タ時になると徐々に間接光が建物の表情を変化させていく。
そのような、自然で和やかな空間を楽しむために、外観、内装共にミニマムを意識した空間構成がデザインベースとなっている。