敷地は、比較的、車や人の往来の多い前面道路に面した三叉路の角地であったため、住宅におけるプライバシーのとり方がこの住宅のファサードのキーワードとなった。
道路の通行人との見る見られるの関係に曖昧性をもたせるような素材として400角の花形ブロックを沖縄から船便でとりよせた。
緩やかな敷地のラインに沿って配された花形ブロックによるライトスクリーンは、絶え間なく変化する自然光により、多様な表情を見せている。
風、雨、太陽、空といった自然を、ファサードとなっている花形ブロックと中庭に面した各開口部を通じて、屋内に深くひきこんでいる。
またライトスクリーン、屋根のない中庭空間、それをブーメラン方に囲み連続していく空間のヒエラルキーが段階的に配されている。
夏にはライトスクリーンにより、暑い西日を砕き、中庭からは水盤の風で涼む。
また1 、2階に使用しているコンクリートや石の床は、夏は素足で快適に暮らせ、冬には日中の太陽のダイレクトゲインを実現している。
1階及び2階には床暖房を設けているが、1階のみの床暖房でも階段吹き抜けより2階の暖をとることが可能になっている。