PRODUCE 成瀬店
(事務所・店舗・商業施設)

株式会社KAMITOPEN一級建築士事務所

PRODUCE 成瀬店

『間仕切りで「間」をつなぐ』

敷地は、町田市にある住宅街である。美容院は道路と面しているが、間口に対して奥行きが3倍以上ある、縦に長い空間である。
このような空間の環境において、外部との関係をどのように保ち、影響を受け合っていけるか。
美容室に必要なエレメントだけを抽出し、「視覚」をテーマに設計をすすめた。
昨今の店舗空間において、客のプライバシーを守るために空間を細かく仕切ったり、外部と内部のつながりを入り口のみに限定するという手法が多用に行われている。
その行為自体は、一人一人の「個」の空間は豊かになり、評価されるべきものであると考えるが、私は、全体の空間としての魅力は失われていっているのではないかと感じる事があった。
そこで、私は、必要なエレメントである仕切りを残したまま、同時に全体の空間につながりを持たせるために、間仕切りによって「間」を繋げることは出来ないかと考えた。

実際の設計としては、外壁(外と中を区切る間仕切り)
+パーティション1(待合いとカットスペースを区切る間仕切り)
+パーティション2(カットスペースとシャンプースペースを区切る間仕切り)
+パーティション3(シャンプースペースと半個室カットスペースを区切る間仕切り)
+パーティション4(シャンプースペースとディスペンサリーを区切る間仕切り)
の5枚の間仕切りが、それぞれ単独で見ると通常の間仕切りだが、全体として合わさると、一枚の風景となるように設計した。
さらに、それらの間仕切りを視覚的に繋ぐために、太陽の光を表現するホリゾントを放射状に配置し、また、太陽が水面に映り込んだ姿として、タイルの目地を2色使用し、放射状の目地を作った。
その結果、仕切られた空間を1つの空間に還元することが出来、一枚の絵に空間という息吹を与えることが出来た。

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