「表裏」
日建学院は建築系の資格学校である。
そこに通う生徒は一級・二級建築士/宅地建物取引主任者を目指す若者をイメージしがちだが、実際は施工技師関係の現場の方々も多く通学している。
今回は、その両者に考慮した空間が求められた。
そこで、私は「設計」と「施工」をつなぐデザインを今回のテーマとして捉え壁面や天井の下地を意匠として見せる方法を提案した。
実際には、空間の壁面はプラスターボードを切り欠き、天井面はジプトーンを部分的にはずし、そこに透明ガラスを嵌め込む事によって、完成後には通常、見えてこない「下地のディスプレー」を作り出した。
これにより、建築士を目指す若者は、実際に現場の工程を見て確認する事が出来、施工技師関係の人々は、通常は完成後に見えてこない職人の技術を披露する空間となった。
私はこの空間により「表と裏のつながり」を感じる事が出来ればと考える。