「海景」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば"日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店"をつくりたいという思いの表れである。
今回は「海景」をテーマに設計した。
借景とは庭園外の山や樹木、竹林などの自然物等を庭園内の風景に背景として取り込む事である。
通常、茶室に取り込む事の出来る景色は借景であるが、宮城県にある伊達政宗が豊臣秀吉の伏見桃山城にあった茶室を移築した観覧亭は縁側で松島の海を眺める事が出来る。
そこで、宮城県で作るnana's green teaは「海景」を眺める事が出来る現代の茶室とした。
実際には水平線に見立てた壁面の中心線に間接照明を施し、上下に直径と木目の違う丸太を並べ、色と大きさのグラデーションで海と空の奥行きを表現した。
また、水平線より下部の部分には丸太にちょうなによるなぐり加工を施し、さざ波を表現した。