古民家だけではなくて築年数に限らず、どのような状態で維持管理を行っているのかを想定しておくことも新築、家造りでは大切になってきています、空き家問題は身近な問題。

やまぐち建築設計室

著者:やまぐち建築設計室(建築家・設計事務所/奈良県)
2023-12-17更新
古民家だけではなくて築年数に限らず、どのような状態で維持管理を行っているのかを想定しておくことも新築、家造りでは大切になってきています、空き家問題は身近な問題。
空き家問題は身近な話しです。







空き家が増えている、

ということが

社会問題となっているのは

皆さんもなんとなく

ご存知かとは思います。



では、

なぜ空き家が

増えているのでしょうか?。



この問いに

業界人も含めて

ほとんどの人が

人口が減っているからと

答えるのだそうです。



ところが、

根本的なところは

そうじゃないんですよね。



空き家が増えている理由は

高齢化+単世帯の増加が

主な原因だったりします。



人口は減っていても

世帯数は増えている、

というのは

なんとなく肌感覚で

ありますよね。



世帯数の増加の中でも、

単世帯の増加率が一番大きく、

単世帯の中でも

統計的には65歳女性の単世帯が

ダントツに多いのだそうです。



高齢者の単世帯ということは、

おそらく近い将来

施設に入る事も考えられますので、

それは空き家になる、

ということです。



そして、

身内が居る場合は

遠その身内が家を

相続するということです。



セカンドハウスとして利用したり

貸し出したりという事も

あるかも知れませんが

そうではない場合だと

例えば、

遠方に住んでいると、

ほったらかしになり気味で

どんどん朽ちていくというケースもあります。



なんであの状態で

ほったらかしにしてるんだろう、

と思うような建物を

見ることがあるかと思います。



持ち主は

目にすることがないから

気にならないケースもあります。



中古住宅をリノベーションして

貸し出したり、

自身のセカンドハウスとしたり

事業で活用したり、

かっこよくした事例を

メディアで見かけますが、

実際はそんな事例は

ごくごくわずかで、

そもそも何か手を施す状態にするまでに

いくつものハードルがありますから。



相続未登記所有者が

認知症で行為能力なし

相続したけど兄弟姉妹で

共有で意見が合わない

所有者が遠隔地

そもそも所有者不明

これらが空き家問題の根底にあります。



単純に、

こういう方法がある、

ということで解決するものでもなく。



結局は、

持ち主が理解をし

判断をし

行動を起こしお金をかける、

ということができないと、

なかなか前には進まないのです。



昔は、

家は継いでいくものでした。



個人の希望より「家」が優先

という時代でした。



でも今は個人の好みが

優先されます。



子どもが結婚して

世帯をもって

家をどうするかとなった時、

親と同居という

選択をする人は

ほんのわずかです。



勿論、

DINKSという選択肢もありますし

様々な個別の事情もあります。



多くの家が

親族が住み継ぐことなく

空き家になるんです。



少なくとも

手入れが行き届いていれば

その先の使い道は増えますが、

手入れのしてない状態の家は

危険もはらみます。



空き家問題は

ある意味今後は

誰にでも関係してくる

身近な問題です。



様々な選択肢の中で

考える事の可能な範囲を

早い段階から相談しておくことも

大切なことだと思います。



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