飛び石に見る、クライアントの本気 IN「あの森のOHANA」‐1977‐

株式会社 一級建築士事務所アトリエm

著者:株式会社 一級建築士事務所アトリエm(建築家・設計事務所/大阪府)
2023-01-27更新
飛び石に見る、クライアントの本気 IN「あの森のOHANA」‐1977‐
昨日、京阪萱島駅から北を望むと山頂付近は真っ白でした。

1月24日(火)の夜からの寒波で、JRは環状線以外ほぼ全滅。


その点、関西の私鉄はタフなものです。

一部不通はあったものの、京阪、阪急、阪神とほぼ問題なく運行していました。


庶民の味方のお陰で、「あの森のOhana」の1年点検に行くことができたのです。


昨年の年始に完成、そしてあわただしく引越しでした。

カメラマンの石井さんも「もう1年ですか、バタバタでした」と。


大阪市内はほぼ降りませんでしたが、萱島あたりは結構雪が降ったそうです。


一通り点検をしましたが特には問題なし。

ということで、内部も撮らせてもらいました。


ついでと言ってはなんですが、あわせて動画も。


最近はタブレットで写真をセレクトしてもらうそうで、レセプションのモニターが無くなっていました。


それだけで、かなり広く感じるものです。


点検の時間帯は撮影が入っていないとのことで、2階のスタジオものぞいてきました。


晴れていれば最高ですが、この寒波の中、来れただけで良しとしなければなりません。


やはり大空間は良いもの。

来るたびに思わず声がでるのです。


1階のレセプションに、こんな絵が掛かっていました。

石井さんの娘さんが描いたものでした。

美大に行ったことは聞いていたのですが、早速とあるグループ展に作品を出展するそうです。

石井さんと知り合って15年になりますが、子どもの進学や職業の話をするようになったのだなと、感慨深いものがありました。

四方山話をしていると、あっという間に2時間が経っており、失礼することにしました。


帰り際、日が差してきたのでもう1カット。

撮影を終えたご家族が帰る際、この飛び石で子どもさんが「ケン・ケン・パ」をして遊ぶそうです。

貼り方の原案は私が作ったのですが、最終的には石井さんの案がほぼ採用になりました。


プロとしての自覚は持っているつもりですが、つい「予算的に……」などと言ってしまうものです。

しかしクライアントはいつも本気です。

この案から、それがヒシヒシと伝わってきたのです。

飛び石の枚数が1.5倍くらいになるので、コストは上がります。そこを現場と調整して何とか実現しました。

点検に同行していた監督と、「こういったところに差がでるよね」と話していたのです。

小さな苦労と言えば小さな苦労ですが、人の心は不思議なくらい正直なものだと思うのです。
著者:株式会社 一級建築士事務所アトリエm(建築家・設計事務所/大阪府)

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