省エネ性能自社評価

アーキシップス京都

著者:アーキシップス京都(建築家・設計事務所/京都府)
2023-09-14更新
まず「主たる居室」=LDkの面積と、「その他の居室」=寝室等の面積、そして住宅全体の床面積を入力します。
次に地域区分で、全国8つの地域から該当地域を確認します。
「wings」の所在地は京都近郊で、該当する地域区分は5でした。
次に「外皮面積の合計」。
これは人間なら表皮、住宅でも壁・窓・屋根など文字通りの家の「そとづら」の合計面積で、立面図を元に積算した結果、合計は302.29m2。

次に「熱貫流率と線熱貫流率」で外皮平均熱貫流率を指しますが、これはいくつかの計算の組み合わせで出る数値です。
まず外皮の熱損失量の合計を算出、その数値を先ほどの外皮面積の合計で割算して得られる数値で、いわゆる「Ua値」。
一口に「外皮の熱損失量の合計」と言っても、窓もあれば壁も屋根もあります。
窓はガラスやアルミ・樹脂などの素材で成り立ち、屋根や壁の内側には吹き付け断熱材も木材もあり、それらをパーツごとに熱伝導率や厚みをかけあわせたり、メーカーの仕様書を探して数値を当てはめ、積算し・・・と、なかなか大変な作業です。
やっとの思いで出した外皮の熱損失量の合計147.32w/kを、外皮面積の合計302.29m2で割って、「wings」の外皮平均熱貫流率がでます。
「wings」の数値は、
147.32w/k ÷ 302.29m2 = 0.4873Ua
この数値も地域区分によって基準値が決められ、少ない方が高い評価です。
5地域の基準値は0.87Uaなので、wingsの外皮平均熱貫流率0.49Uaは、地域区分で求められる水準より高水準でした。
1・2地域(北海道)の基準が0.46Uaなので、いい線いってます。
次に規定の日射取得量を外皮面積で割る公式に従い、暖房期と冷房期の日射取得量をそれぞれ2.25η(イータ)AH、1.82ηACと算出。
外皮の後は住宅設備機器の省エネ性能です。

冷房や暖房の種類や方式(部屋ごとか全館か?など)のあと、換気扇と熱交換器について細かく聞かれます。
室内の温度保持に関わる換気の方法は、より重視されるようです。
弊社では24時間換気は熱交換器を伴うダクト式第1種換気が標準仕様なので、機種の仕様書を参照しながら「比消費電力」「温度交換効率」などを入力していきます。
給湯器も弊社はエコキュートを標準仕様としているので、同様に機種名や「JIS相当効率」などを記入。
給湯熱源から給湯先までの配管方式や分岐先の配管径、照明器具は全てLEDか調光できるか、など省エネポイントを問われるので、今後の参考にもなります。

「wings」は太陽光発電やコージェネは装備していないので、数値の入力を終えたら計算ボタンをクリック。
すると「エネルギー消費量」の表が出現し、
「この住宅の基準値は、現行の規定で78.8GJ、H28年以降の基準なら72.8。」
「入力された数値で判定すると、この住宅のエネルギー消費量は57.8GJで、いずれの基準をも下回りました。」
「その他を除く設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で割った省エネ指標のBEIは0.65、住宅の誘導基準値0.9を下回りました。」
との結果が得られました。
これらを元に「BELS」建築物省エネルギー性能表示制度で星の数を算定。
満点5つ星で、5つ星の評価を得ることができました。
写真は自己判定のラベルですが、審査機関にお金を払って判定してもらえば、金色の星がずらりと並んだ華々しいラベルを発行してもらえます。
著者:アーキシップス京都(建築家・設計事務所/京都府)

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