和の趣と数寄屋の歴史的背景を融合させつつ住まい手さんの「終の家」として暮らしの環境を提案した「旅館に住むような暮らし」のデザイン設計、大切な暮らしの価値観と情緒ある過ごし方。

やまぐち建築設計室

著者:やまぐち建築設計室(建築家・設計事務所/奈良県)
2023-10-14更新
和の趣と数寄屋の歴史的背景を融合させつつ住まい手さんの「終の家」として暮らしの環境を提案した「旅館に住むような暮らし」のデザイン設計、大切な暮らしの価値観と情緒ある過ごし方。
旅館に住むように和の趣を愉しむ暮らし。







繊細な和の趣を

存分に味わう・・・・・。

そんな日常を過ごしてみませんか?。




おおらかに暮らしを包み込む数寄屋の家。

ご依頼のご連絡をいただき

外構を含み

完成まで約6年の歳月。



住むという事を「どういう価値観」から

デザインするべきか?

というところからスタートして

様々な暮らしの在り方をカタチにした住まい。





「過ごしてきた人生の集大成」を考えた「終の家」が

住まい手さんからのリクエストでした。





日常的な愉しみが

環境により変化する事を原点に

和の趣が

居心地に繋がるように。





そんなテーマが「数寄屋」でした。

数寄屋(すきや)とは、

茶室のこと。



数寄屋と呼ばれる茶室が出現したのは

安土桃山時代。



もとは、庭園に面した別棟として造られた

小さな茶室(多くは四畳半以下)のことを

数寄屋と呼びました。



数寄屋建築とは、

日本の建築様式の一つであり、

茶室風を取り入れた住宅の様式です。



数寄(すき)とは和歌、

茶の湯、生け花など

風流を好むことであり、

数寄屋は「好みにまかせてつくった家」

という意味になります。



当時は床の間、違い棚、付書院という

座敷飾りを備えた

書院造(しょいんづくり)が中心でしたが、

茶人たちは

格式ばった意匠や豪華な装飾を嫌いました。



そこで好まれたのが

軽妙な数寄屋というわけです。



数寄屋建築の路地:苔(コケ)を上手に生やす。



江戸時代以降は

茶室から住宅へと広がりました。



現代では、

料亭や住宅でも

数奇屋建築にならったものが

造られています。



そういった背景をベースに

住まい手さんの「和の趣きの好き」を

デザインのテイストに備えつつ

現代と過去の歴史を繋がるように

提案した住まい。



玄関に施した垂れ壁とムロの「変木」は

天井高さから下げる事で

茶室の「にじり戸」を

イメージさせています。







少しの事ですけど

背景にあるデザインを

カタチにすることで

住む行為自体が

洗練され「深み」を帯びる事も

あります。



勿論「素材の風味」をどのように

空間へ融合させるのか?

という事も含んで。







心地よい暮らしとは

どういった意味を

指すものなのか?

家族の価値観や

住まい手さんの意識を

丁寧にくみ取りながら

建築家としての自分の応えるべき

デザインと設計の提案を

毎回考えています。





数寄屋の住まいは

和の趣を大切に考えつつ

現代的な暮らしの居心地も

繊細に提案する和モダンの設計。

思いの背景デザインを紐解き
心行くまで住まいでの

暮らし愉しんでみませんか?

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