著者:SumaIdeaサポートデスク(その他の専門家/東京都)
2022-09-17更新
建築費用が高騰しています。
長期的にみると上がり続けてきたのですが、ここ1、2年でさらに高騰しました。
規模や仕様にもよるのですが、一例として、3年前は3000万円で建てられた木造二階建て、延床面積100平米の注文住宅が、現在は3000万円台後半以上かかるケースが増えてきています。
「今は高いので待った方がいいか?」「いつごろ落ち着くの?」というご質問をいただくことが多いため、私たちの考えを整理してお伝えいたします。
結論から申し上げると、「短期的には多少落ち着く可能性もあるが、長期的には上がり続ける」と考えています。
まず、ここ1~2年で高騰した理由として、「世界的な建築需要増」「ロシア・ウクライナ危機」「円安」といった点が考えられます。
1.世界的な建築需要増
コロナ禍以降、世界的に建築需要が高まり、建築資材の価格が高騰しています。
「ウッドショック」という言葉を耳にされたこともあるかもしれませんが、木材だけでなく、鉄鋼材など多くの建築資材が高騰。日本は建築資材の多くを輸入に頼っているため、輸入価格は建築費用に強く影響します。
2.ロシア・ウクライナ危機
ロシアによるウクライナ進行により、さらなる建築資材不足、そして原油などエネルギー資源も高騰しました。
ロシアは木材や資源(石油・天然ガス等)の輸出大国で、ロシアへの経済制裁、ロシアからの輸出制限により、これらの供給が減り、高騰が進行します。
資源高は輸送コストに大きく影響し、前述のように輸入に頼っている日本国内の建築費用に大きく影響します。
3.円安
アメリカの利上げにより円安が進行。それにより輸入価格がさらに高騰しています。
単純化すると、例えば1万ドル分の木材を輸入する際、1ドル120円の時は120万円ですが、1ドル140円だと140万円になります。
※現実はもっと複雑です。
これらは短期的には落ち着く可能性がありますが、極めて不透明ですので、不確定要素としておいたほうが良いでしょう。
長期的には、建築業界の人手不足・高齢化により、建築費用が上がってきています。
様々な業界で人手不足ですが、特に建築業界は顕著で、就業者も高齢化。
就業者の減少は供給力の減少や給与・採用コストの増加に繋がり、最終的に価格に転嫁されます。
需要の変化に比べ供給力の減少が大きく、今後も注文住宅の建築費用は上がり続けると感じています。
もちろん、先行きはだれにも分からないのですが、ここ10数年の推移から、今後建築費用が下がる可能性は低いでしょう。
最初に戻ると、私たちの見解としては、
「今は高いので待った方がいいか?」⇒「下がるより上がる可能性が高い。」
「いつごろ落ち着くの?」⇒「誰にも分からないし、断言する人は信用できない。」
という回答です。
資金に余裕があるのであれば待たず進めた方が良いと思いますし、余裕がなければ中古住宅や集合住宅も含めて検討されたほうが良いでしょう。
曖昧な回答で恐縮ですが、個々のご希望・ご状況、エリア、お住まいに求める条件等々によって検討する選択肢も変わってくるかと思います。
具体的なご希望やご予算をお知らせいただければ、より具体的な見解をお伝えいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
広い可能性から、より良い住まい、永く心地よく暮らせる家を実現できるよう、応援・支援いたします。
著者:SumaIdeaサポートデスク(その他の専門家/東京都)