転用の文化。

エムデザインスタジオ

著者:エムデザインスタジオ(建築家・設計事務所/佐賀県)
2023-03-16更新
転用の文化。
住まいを考える上で、どんな用途の部屋がどれだけ必要なのかと、検討に入ります。そこで、『どんな部屋で?』に注目してみます。部屋には、それぞれ役割があると思いますが、昔ながらの日本の住まいはどうだったでしょうか?部屋には畳が敷かれ、障子やふすまで仕切り、いろんな用途に使われていたようです。冠婚葬祭などあらゆる用途に対応した畳の部屋はとても優れモノだと思いませんか?西洋では、各部屋は完全に壁で仕切られ各部屋ごとに用途を決められていた様に感じます。西洋と日本の文化の違いだと思いますが、現代でも同じ事が言えるでしょう。特に、リビング、ダイニング、寝室、子供室など部屋には名前を付けます。そして、家具を置き完全に用途が決まっていきます。そこで、ひと工夫。予算や敷地条件など、どうしてもコンパクトにまとめなくてはいけない時、上手に畳室をつくってみては?そうです、部屋に用途を決めずに、畳を敷く事で、布団を敷けば、寝室に。ちゃぶ台を置けば、ダイニングに。ビーズクッションなど置いてリビングに。ちょっとしたデスクを置いて子供室に。

昔の日本の知恵をもう一度うまく使う事で、ひとつの部屋を上手に転用し、用途を兼ねる事でコンパクトにする事が可能なのです。最近は、琉球畳など縁なしの畳がありますので、モダンな部屋と連動させた畳室も可能ですので、イメージを崩さずに粋な空間づくりも可能なのです。

日本の『転用の文化』をいまいちど見直してはいかがでしょうか?
著者:エムデザインスタジオ(建築家・設計事務所/佐賀県)

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