ハウスメーカーを選ぶ際の注意点

SumaIdeaサポートデスク

著者:SumaIdeaサポートデスク(その他の専門家/東京都)
2024-05-09更新

注文住宅のご相談をお受けする中で、「ハウスメーカーはどのように選べばよいのか」というご質問を頻繁にいただきます。今回は、多くのご相談をお受けする中で見えてきた、ハウスメーカーを決める際に気を付けてほしいことをまとめました。

ハウスメーカーを選ぶ際の注意点

ハウスメーカーを選ぶ際、依頼する際に気を付けるべきこと、誤解されがちなことをお伝えします。

「独自」「最新」に注意

「独自」「最新」といったPRを目にすることもありますが、慎重に検討するようにしてください。

家は、建てることがゴールではなく、建ててから永く快適に暮らせることが重要です。
良い技術は普及しますし、まだ普及していない「独自」「最新」の技術は、10年、20年、30年といった長期的な実績がないこともあります。

また、広く普及していない技術・工法の家は、リフォーム・リノベーションやメンテナンスの際、家を建てたハウスメーカー以外では対応が難しい(不可能であったり、費用が高額になる)ケースもあります。多くの工務店で対応可能であれば、費用を比較できますが、選択肢がなければ高いと感じてもハウスメーカーの言い値を受け入れざるを得ません。

総額を確認

「カタログの価格が安い」「坪単価が安い」「値引きしてもらえる」等々、金額・費用で決断する方もたくさんいらっしゃいます。もちろん、安く建てられるにこしたことはなく、建築費用は大切ですが、金額を比較検討するときは、必ず「総額はいくらか」という視点で考えるようにしてください。

ハウスメーカーでも工務店でも建築家・設計事務所でも、事業者によって提案される金額の考え方は異なります。一見安い提案も、必要な諸経費が含まれておらず、最終的に費用が大きく膨らんでしまうということもあります。

地盤調査・地盤改良、確認申請や各種税金・手数料、家具や住宅設備にかかる費用、引っ越し費用、建て替えの場合は解体費用や仮住まいの費用・・・。注文住宅には、様々な費用がかかってきます。

ハウスメーカーの営業さんは、「契約数」や「売上」が給与に反映されることが多いため、安く見えるような工夫や、契約を決断してもらえるよう努力します。もちろん、親身になってくれる営業さんもいらっしゃいますが、営業さんの役割としてはやはり前述のように契約や売上金額が重視されることが多いようです。

引っ越して生活を始めるまでにかかる全ての費用はいくらなのか、という視点で比較検討して、ハウスメーカーや工務店、建築家・設計事務所を決めてください。

保証・補償・アフターケアを確認

「保証・補償・アフターケア」が充実しているからハウスメーカーを選ぶ方もたくさんいます。ただ、その契約内容は、しっかりと確認するようにしてください。

「天災は対象外」「定期的な有料メンテナンスが義務」等々、ハウスメーカーの瑕疵を証明できなければ自己負担となるケースもあります。自社が不利になる契約を提案するハウスメーカーは少ないと思いますので、しっかりと契約書を読み込み、納得できない点、不安な点が残っている場合は契約を締結すべきではありません。

法律で瑕疵担保責任は義務付けられていますので、他社より明らかに有利な保証・補償契約でなければ、保証・補償をハウスメーカーを選ぶ材料として重視にする必要は無いと思います。

資産価値という甘言。建物の資産価値は逆効果

「建物の資産価値が残る」というハウスメーカーの営業もいるようです。これは決して嘘ではありませんが、現実的には無意味でもあります。

ハウスメーカーによる注文住宅は、前述のとおり「多くの方に受け入れやすい間取り・プラン」で建てられており、大手ハウスメーカーに限りますがブランドもあるため、建築家・設計事務所や地場工務店で建てた注文住宅よりも売却しやすい傾向にあります。

ただ、短期間で売却するのであればその通りなのですが、長期的には、無意味です。
今後、日本の人口・世帯数は減少し、住宅はどんどん余っていきます。あくまでも私たちの考えではありますが、10年先、20年先を見据えると、売却価格に資産価値が残るケースはほとんどないように思えます。「資産価値はあるけど売却価格に反映されない」ということは、固定資産税の分だけ損をするため、逆効果にもなり得ます。

安心・安全は本当か

「大手だから安心」という考えもありますが、昨今の大手建築会社の不祥事(杭が足りない、壁が足りないといった手抜き工事)を考えると、大手でも決して安心できません。
気候も昔と比べ変動が大きく、地震や台風、酷暑や豪雪等々、想定を超える環境の変化はどんどん起こってくる可能性があります。

「予算はいくらかかってもいい」というのであれば相応の対策もできるのですが、現実的には予算と対策のバランスを取っていく必要がありますので、慎重に検討するようにしてください。

著者:SumaIdeaサポートデスク(その他の専門家/東京都)

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