注文住宅を建てるなら工務店がいいと知人に聞きました。ネットで調べてみた結果、ハウスメーカーも結局工務店に外注するので工務店に直接依頼した方が安上がりだという結論に至っています。この認識は正しいですか。また、工務店で注文住宅を建てる上で注意すべきことは何でしょうか。
工務店は、その規模や地域性、社長さんの考え方によって、注文住宅を建てる費用も内容も大きく異なるので、あくまでも一般論、「そういうケースが多いであろう」という視点で回答いたします。
まず、ハウスメーカーよりも工務店に直接依頼した方が安上がりか否か、という点ですが、これは概ね正しい認識かと思います。お調べしたように、理論的には、最終的な建築工事は工務店が請け負うので、直接工務店に依頼した方が、ハウスメーカーの利益・経費を負担せずに済みます。
※ 厳密には、工事は職人さんが行い、工務店はその職人さんや専門工事会社を束ねる現場監督の役割を果たすので、職人さんや専門工事会社に直接工事を発注する「分離発注」が理論上最も費用を抑えられますが、かなりの知識・経験と時間・労力が必要ですので、あまりおすすめできません。気になる場合は、改めてご質問ください。
一方、ハウスメーカーは仕様の決まった住宅を量産することで、建築材料の一括仕入れやプレカット大量生産によるコストダウン、工事のマニュアル化によるコストダウンなど、工事原価自体の低価格化を行っている企業もありますので、特にローコストーメーカーの規格住宅は、工務店と同等かそれ以上に安くなるケースもあります。
住宅に求める品質とかけられる費用のバランスを考慮して、じっくりご検討ください。ご不安なら、お気軽にご相談くださいね。
続きまして、工務店で注文住宅を建てる上で注意すべきことですが、大きな点としては、以下の3点が挙げられます。
1.工務店は慎重に選ぶ
2.施主(ハムぞうさん)も時間・労力の負担が大きくなることを認識しておく
3.契約書は隅々まで確認しておく
1.工務店は慎重に選ぶ
上にも書きましたが、工務店は昔ながらの中小規模な会社が多く、技術力、価格、仕事の進め方などに大きな差があります。
事例(自分の建てたい家に近い施工事例はあるか)や企業情報(地元で永く続いているか、工事中に倒産しそうにないか)、見積(できれば項目ごとに複数社を比較したいところ)などを確認して、伸張に選ぶようにしましょう。
2.施主も時間・労力の負担が大きくなることを認識しておく
ハウスメーカーや設計事務所に依頼するケースに比べて、工務店に直接依頼すると、施主の時間的、労力的な負担は大きくなります。ハウスメーカーや設計事務所が行っていた工務店との細かい打ち合わせや価格交渉なども、施主自身が行う必要があるためです。
また、工務店にもよりますが、住宅ローン関係や近隣住民への挨拶、地鎮祭等の手配など、施主に任せるケースもあります。費用を抑える分、時間・労力がかかるという認識を持っておいたほうが良いでしょう。
3.契約書は隅々まで確認しておく
建築工事はかかる金額も大きく、専門知識も多いため、トラブルがとても多いです。工事途中での追加費用や引渡し時期の延期、当初の話とは仕様やデザインが変わる等、さまざまなリスクがあります。トラブルを完全に防ぐことはできませんが、特に費用や仕様、工事期間、保証など、事前に約束できることは、口約束ではなく、契約書で書面で取り交わしておくようにしましょう。項目の多い契約書になると思いますが、捺印前に、隅々までしっかりと確認して、十分に納得してから契約を行ってください。
また、工務店は倒産リスクも高いので、完成保証などに加入しておいたほうが良いと思います。
以上、一般的なケースとして、工務店で注文住宅を建てる際の注意点でした。
状況や求める建物の要件によっては、もっと具体的なお話もできますので、よろしければお気軽にご相談くださいね。