小規模な賃貸アパートを建てたいです。初期費用を抑えつつも、長く入居者がつく設計のコツはありますか？
小規模アパートの場合、初期費用を抑えるほど「無難で画一的」なつくりになりがちですが、実はそこを少しだけ工夫するだけで長期の入居安定につながります。まず大事なのは、設備を豪華にするよりも「住み心地のストレスを減らすこと」。例えば、ワンルームでも収納を壁一面にまとめて家具の置き場所を確保したり、玄関の土間スペースを少し広げて使いやすくするなど、面積を変えずに生活動線を整える工夫が効きます。また水まわりは、キッチンの前に十分な作業スペースを確保したり、洗面室と洗濯動線を短くするだけでも満足度が上がり、退去率の減少に繋がるかと思います。
もう一つは「光と風」が思った以上に差別化ポイントになること。共用廊下側だけでなく、角部屋を増やす配置や、建物形状をずらして採光のポイントをつくるなど、小さな工夫で屋内をより明るい空間にすることもできます。また、外観は奇抜である必要はなく、落ち着いた色味と縦ラインを意識したデザインにしておくと、長い期間にわたって時代遅れになりにくいでしょう。結果として改修のコストも抑えられます。
最後に、長期運用を見据えるなら「管理のしやすさ」も設計段階で織り込みたいところです。清掃しやすい共用部の素材、植栽の量の調整、ゴミ置き場の動線など、日々の管理が楽な建物はトラブルが少なく、入居者の居心地もよくなります。
エリアやご希望に合わせ、建築家・設計事務所のご案内も可能ですので、よろしければお気軽にお問い合わせください。
