大阪の密集した住宅地。敷地は41.3㎡(12.5坪)と非常に小さい。 北東2方が道路で、隅切りも必要。
元長屋の為、境界線上に隣地が建ち、施工可能な ラインまで後退せざるを得ない。予算も1600万円という厳しさだった。
2方からの厳しい高さ制限は、天空率を用いることで限界値を探った。3層となればそれでも尚厳しく、駐車場の天井高は1.95mに抑えている。それを利用し、全体を3層のスキップフロアで構成することにした。
夫妻とネコが暮らす小さな家で、余分な空間は無いが十分楽しく暮らせる家だと思っている。
「この地に駐車場付の家を」と言うのが中々の難題で、木造ではどうしても入口の巾が確保できない。最終的に1階をRC造壁式構造にし、耐力壁を斜めに振ることで解決を図っている。 船のようなフォルムは様々な規制と葛藤した上で、私達の示した意思でもある。
1階はコンクリート打ちっぱなしの混構造。打ちっぱなしに外部は黒い塗装を施す。
RC打ちっぱなしの玄関内部と階段
1階は駐車場、トイレ、玄関、洋室。
2階はダイニング・キッチンとリビングの29㎡(8.8坪)1室。
3階は寝室と水廻りのみ。これがこの家の全てである。
かなりのローコストゆえ内部扉がなく、夏の暑さと、冬の寒さは多少こたえるもの、とても楽しく暮らしているとのこと。
「友達に写真を見せたら、びっくりするんですよ」とは奥さんの弁です。