3LDKのマンションでは、廊下側に洋室2つ、ベランダ側にLDK、その中間にもう1部屋という構成が一般的です。中間の1部屋は予備的な和室・洋室として設計されることが多いですが、居室として使うには採光・通風・空調の条件が悪いため、実際には季節物や捨てられない家具などを押し込んだ納戸となり、住み手の生活スタイルの変化に柔軟に対応できる間取りとならないケースが多くみられます。今回はこのような中間の1部屋をフルオープン可能な引戸でつくることで、独立した部屋として、広いLDKの一部として、また適度な位置で固定してゆるやかに空間を仕切るなど、その日の気分によって服を着替えるような感覚で簡単に模様替えできるフレキシブルな住宅としました。
エントランス。既存のデッドスペースを開拓してクロークとニッチに充てる。
廊下からリビング方向。天井板を撤去してコンクリート表しに変更。天井高は2.6M。
キッチンカウンターのモザイクタイルはお施主様と一緒に配色を考えたオリジナルMIX。
建具を2方向に引き込むと大きなLDKとなる。
建具オープン時。
服を着替えるように、その日の気分やシチュエーションによって気軽に模様替えを楽しめる。
職人のチョーク跡がそのまま残る打放しコンクリートの壁面。
タモ集成材カウンターのシンプルな洗面室。
建具で囲まれた部屋にもポリカーボネイトの建具から光が入る。
露出したスパイラルダクトや鋼製電線管、トグルスイッチがインダストリアル感を醸し出す。