下町の非常に狭い間口の土地に建つ住宅です。厳しい条件の中で、上下階の移動を制約としてではなく様々な性格を持つ空間のつながりとして楽しめるよう、1つのハコの中に6つの『』型の床面をつくり、半階ずらしながら積み重ねることで長手・短手両方向にスキップフロアとしての性格を持たせ、止まり木を枝から枝へ飛び移るような住まいを計画しました。敷地を極限まで活用するため、100mm幅の鉄骨架構を組み上げた後で金属断熱サンドイッチパネルを隣地境界際に沿って内側から施工し、外壁を50mmの厚さに抑えています。法規上の取り扱いを地上2階地下1階建てとすることで鉄骨被覆や非常用進入口を避け、最上階にはルーフテラスを設けて、倉庫のようにスパルタンでありながら、光と風に満たされて圧迫感を感じない住まいになりました。
内側施工可能なサンドイッチパネルを利用して隣地際まで建築。境界線から外壁面までは最小17cm。
エントランスを兼ねた土間ガレージ。シャッターを下ろして半外部的に使うことも可能。
子供部屋からLDKとキッチン方向を見る。階段を囲む床スラブが『』型に積み重なる。
ラワン面材とステンレス天板でシンプルに家具製作したキッチン。
倉庫のようなハコに暮らす生活。金属サイディングに充填された断熱材によって居住性が確保されている。
床は厚み35mmの吉野杉足場板。ビスが見えないように下階のガレージ天井側から留め付けている。
LDK全景。10cm角の柱が規則的に並ぶ。H鋼は構造体、角鋼は外壁パネルのサポート。
キッチン、水廻り、ルーフテラスの結節点に設けた家事コーナー。家全体を見渡せる特等席。
階段踊り場からリビング・ダイニングを見下ろす。
物干しやガーデニングなど多目的に利用できるルーフテラス。