背後に里山を望む敷地。旧家が立ち並ぶ、京都郊外ののどかな地域である。
元は鉄骨造の住宅が建っていた。フルリノベーションも模索したが、最終的に新築となったのは「配置」を替える必要があったからだ。
敷地は100坪ほどあるものの、以前は建物が手前にあり車を建物の後ろに止めるのは難しかった。
駐車スペースは必然的に一番前に来るので、建物の心象を決定づけることになる。
車社会なので「3台駐車可」は当初からのテーマで、何とか機能と美しさを両立させたガレージハウスにしたい。更にそれを、木造4号物と呼ばれる、一般的な工法で実現することに腐心した。
敷地が南北に長かったので、「前庭」「中庭」「裏庭」と3つの外部を配置。
「家族で気軽に屋外で食事がしたい」「近所の友人とBBQを楽しみたい」という要望を叶えるのが「中庭」である。
22畳程あるLDKの南に連続することで、アウトドアリビングとなり外部との一体感が持てる。
郊外型の住宅は、周辺の視線を気にせずともよい外部を確保しづらい。
インナーガレージとしては3台だが、その前に3台。前庭に2台と、計8台はゆったり駐車できる。仲間が集まるときは駐車場から中庭へ、直接アプローチできる動線も確保した。
薪ストーブはこれまで何度もトライしたが、初めて実現することができた。ゆらめく炎を見るのも楽しいが、体が温まると外にでても温かいそうだ。
所在地 京都府
構造 木造 2階建て 新築
竣工 2021年8月竣工
敷地面積 327.0 ㎡(99.0坪)
延床面積 165.6 ㎡(50.1坪)
1階床面積 121.9 ㎡(36.9坪)
2階床面積 43.7 ㎡(13.2坪)
中庭はルーバーで風通しを確保
手前から前庭、建物の間に中庭、そして以前の庭を生かした後庭がある
このあたりの旧家は玄関ホールが広い。こちらの住宅も広めに設定
中庭との大開口で明るく開放的な空間
中庭にはタープを張れるリングも設置 グリルは普段の料理にも使用されるとの事
竣工後1年後に感想をもらう予定にしています。