陶芸家と料理家の夫婦、幼い子供たち4人家族の住宅。クライアントは新しい生活の拠点とする岡山で、築70年程の茅葺き屋根の古民家を購入し改修して住むことにした。
農家を起源とした伝統的な形式のこの民家は、数度の増築や改修によって窮屈な印象の空間になっていた。 そこで仕事の関係で来客の多い家族のライフスタイルに合うよう間取りを変更し、住宅としての機能を超えた仕事場のようでもあり、地域の集まりの場にもなるような自由で新しい未来の住まいの形を考えた。
・自然豊かな中でのおおらかな暮らし
・来客が多いため、多くの人が集まれる空間
・古いものも新しいものも楽しみたい
古民家の雰囲気を残しながらも大きな開口の開放的な外観
玄関と一体的に使える土間は、天井が高く展示空間もありアトリエやお店のような雰囲気の空間となっている
左側に日常のスペース、右側に主人のアトリエと展示スペースが見える。日常のものと作品が混在する風景。
ダイニングより広間を見る。ヒューマンスケールと天井の高い空間が混在する。
改修に際し新旧の部位を対比させたり同化させる方法は避けた。現代的な住まい方を実践しながらも、古いものの持つ味わいを楽しみたいというクライアント要望に対し、どこまでが新しく古いのか解らないような状態が適切と考えた。
広間の3枚の建具を開け放つと、アトリエを含め50畳ほどの一室空間となる。天井は頂部で4m程あり、住宅のスケールを越えた非常に大きな空間となる。