郊外の広い敷地に計画した大人一人暮らしのためのとてもコンパクトな家です。機能的な生活動線と収納量の確保のために就寝・食事・仕事・遊びといった日々の生活の場を集約した大きな筐(はこ)をつくり、カーテンで柔らかく性格付けしました。それに連なるように、水廻りとクローゼットを納めたサーバントスペース、来客や将来ご両親との同居を想定したゲストルームを組み合わせ、大・中・小3つの筐体が重なり合う建物となりました。それを敷地のほぼ中央に置き、周辺の雑多な環境と間合いを取りました。
延べ20坪で1.5階分の平屋、高気密高断熱で窓の少ない外観、隣地から大きくセットバックした配置はこれからの郊外での住み方を示しているようにも思われます。
北西から見る。開口部を絞ることで自ずと耐震等級3、断熱等級6(ZEH+)をクリア。道路より約30cm下がった敷地を利用して、道路から室内へ最小段差でアプローチ。大小の筐(ハコ)はガルバリウム鋼板貼。中ぐらいの筐はレッドシダー貼。
ひとり暮らしの食・寝・働・憩を集約した大きな居間。
南面。文庫など奥行が浅い書籍を納める。キッチン近くはカップボードとして利用。
北面は大きめの書籍とディスプレイ用。一部可動棚。
北向きの地窓から南向きの高窓へ風が抜ける。デスク・キッチンも合板で製作してビルトン。コーナーの入隅はエアコンのダクトスペースに活用。
今の天井高は3,150mm。2本の独立柱を拠り所に大きなワンルームを小さな6つの帯域に性格付ける。
天蓋のようにベッドを包む。
本棚のトンネルを潜って小部屋へ。
北面は大きめの書籍とディスプレイ用。一部可動棚。
延焼線や既存浄化槽を避けながら配置計画。