築35年超の空きビルを現代のニーズに見合った高齢者施設へコンバージョンする計画。
昭和期に建てられた地方のオフィスビルは、その多くが空室と老朽化に悩まされています。都市部ならリノベーションにより再生する方向性も考えられますが、経済の疲弊した地方ではオフィス需要自体が低下しており問題は深刻です。一方、介護分野では、介護疲れや緊急時の受け皿としてショートステイの需要がますます高まりつつありますが、民間事業としては建設補助金や税制優遇が受けられないため事業として成立させることが難しく、全国的に施設数不足の状態が続いています。
今回は新築ではなく既存ビルの改修・増築を行うことによってイニシャルコストを低減、近接する病院が運営母体となることで経営の効率化を計り、単体としては運営が難しいショートステイ施設を実現することができました。かつては廃墟同然だった古ビルがコンバージョンにより再生し、地域医療の拠点として多くの利用者に活用されています。
増築棟も既存棟合わせてデザイン。最頂部はエレベーターオーバーヘッドを格納してスペースを最大限活用。
中庭から既存棟をみる。
既存部と増築部を雁行配置することで生まれたスペースを緑の溢れる中庭。
デイサービスセンターは既存建物全体を利用した大きな空間。フルオープンの折戸を新設し、中庭と一体的に利用できる。
1階デイサービスセンター。床はナラ無垢フローリング、壁はペイント。家のように使うほど味が出る温かみのある空間を目指している。
居室入口サイン。建物のコンセプトに合わせてシンプルな家形。ブラケットが見えないデザイン。
煩雑になりがちな館内サインも統一してデザイン。
2Fは元々倉庫だったため天井高が低い。居住性が心配されたが、かえって親密な空間になった。
3階ショートステイは勾配天井を生かし広がりがある空間。
増築部のショートステイ居室。窓から中庭が見下ろせる。