この家は敷地を限りなく有効に使えるよう考え設計しました。
つまり敷地境界線ギリギリまで家の中と外とを連続して感じ、または使用できるように考えています。
水廻りと玄関からなるボリュームとキッチンと階段からなるボリューム。
この二つのヴォリュームに挟まれた空間がリビング・ダイニング(LD)となり構造的な耐力壁は全てそのヴォリューム側で完結している為、このLDには壁を必要としません。
そうなるとボリューム間は全て開口とする事ができ、LDの両側は開放的なものとなる。敷地の形状によってボリュームのレイアウトを検討し、隣地に影響のないプライベートを保ちうる場所にLDを持ってくることによって、とても開放的かつ隣地境界線までがLDとひと続きに感じる空間となります。
また、LDの両側の開口が太陽の日差しとの関係を持たせないよう(明かりを取るための開口としないよう)LD上部は吹抜けとし上部には天窓を設けており、木の梁からは柔らかな明かりが差し込みます。
そうすることで、敷地にレイアウトする際に方位に惑わされずに自由にLDを配置でき、なおかつ明かりも十分に確保可能となります。
二階は家族のプライベートなゾーンと考えています。
ある程度の自由度を確保できるよう、特には間仕切り壁と言ったものは存在しません。LDの吹抜けとの壁(明かりの筒)が各スペースを間仕切る役割も兼ねており、やんわりとプライバシーを確保します。
その明かりの筒には所々開口を開けており各スペースに、さらに光を入れてくれます。
時には、吹抜けを歩けるよう渡り廊下を渡してあります。
それは他の開口同様各スペースに明かりをもたらす役割のためです。
また、1,2階と階で分かれてしまう構成を繋げてくれる役割も兼ねています。
LDでくつろいでいる時にちゃんと二階の気配を感じたり、また逆に、2階から1階の気配を感じたりと家族の気配を何処にいても感じる家となっています。