山手線田端駅から徒歩5分程の敷地に建つ木造、在来軸組工法による2世帯住宅です。
敷地は、道路面より一段高くなった角地という条件にあって、
「家族それぞれがゆったりと自分の時間を過ごせる家」
「機能性や耐久性の高いしっかりとした家」
が求められたものです。
防音室(音楽室兼書斎)やお茶室(客間兼用)、ビルトインガレージといった諸室もある家です。
設計手法・コンセプトとしては、これまでの他の住宅と同様、
シンプルで機能的なプランでありながらぬくもりを感じる家、
明るく風通しの良い家、
ワンランク上の性能を有する家
といった、この住宅でも建て主さんに求められたことを具現化したものです。
各所の主要な仕上げは自然素材を用いている住宅です。
キッチンより正面(南面)のリビングを望む。 リビング左手はダイニングとデッキテラス。 右手は階段室を見通す室内窓です。 キッチンからは、この窓ごしに階段を挟んで子供室や音楽練習室回りを見ることができ、家中の人の動きが把握できるようにしました。
1階の玄関脇に設けたお茶室です。 客間としても使用するため、天井の高さは高くしていますが、間取りその他は作法に基づくお茶室です。 写真は水屋側からお茶室を見たもので、奥の左手が床の間、右手がにじり口です。
建物の敷地は前面道路より1m程高くなっています。 道路からはフラットに入ることができるようにして、安全に家の中でゆったりとした階段で住まいの部分の高さまで上がることができるようにしたものです。 奥の階段の先の三和土は打合せコーナーで、その脇にお茶室へ入るにじり口を設けています。
家の中心に設けた階段室(2階部分)です。この階段室を中心に家の中をひとまわりすることができるプランとしています。 階段上部に設けたトップライトにより、下階にも光が降りそそぐようにしました。
1階、親世帯のリビングダイニング。 左手の窓の先はウッドデッキを設けた南庭、右手の奥はベッドコーナーです。
将来、2室に分けることを前提とした子供室です。 2室に分ける際に、双方の部屋が南に面し、バルコニーとロフトのある部屋にできるようにしました。 部屋の入口脇には、子供達が共用で使用する為の収納を設けています。
ご主人の音楽練習室兼書斎です。 時間を問わずに使用できるように、親世帯の住まいとは平面的にも断面的にも最も離れた場所に配置しました。 木造の住宅での防音室ではありますが、床・壁・天井面においてそれぞれしっかりとした遮音構造とした部屋です。
建て主さんの希望はアジアンテイストのルーフデッキがほしいとの事でした。ダイニングの南側に設けたルーフデッキは、近隣からの視線が気にならないように両側面を壁として、日射しをコントロールする為にパーゴラを造った場所としました。
階段室と親世帯のキッチンにつながるガレージ兼作業場です。