敷地周辺は、物作りの街で工場が立ち並ぶ。
クライアントはメーカー業を営む創業家に生まれた。いずれは会社を継ぐことになるだろう。
そのような環境で、同じ街に住もうと決めたとき、計画の当初、新居を指して「働く覚悟」と言った。
角地であり、場所柄配送のトラックなども多いため、北側の道路に対してこの住宅は完全に閉じている。1階がさらに少し下がっているのは、それらの音対策でもある。
南側は1軒の住宅を挟んで高い社屋が建つ。2階は少しでも北に下がり、中庭に光をいれるプランを考えた。
2階には寝室をはじめ、各個室が中庭を囲むように並んでいる。
寝室の前にあるバルコニーは非常に大きく、深い庇がかかっている。共働きの夫妻が、少々の雨なら洗濯物が干せるようにという要望からだ。道路側からの視線を気にせずともよいように、西側の壁は大きく立ち上げている。
1階も同様にコの字に中庭を囲むプランとなっているが、その1辺は和室となっている。将来的には、両親との同居も考えている。
中庭とポーチはルーバーで覆われている。目線を遮り、通風、採光を確保するためだが、素材はアルミを選択した。真っ白でマッシブな建築に色は不要だと考えた。
雑然とした街中に、白いダイヤモンドを浮かび上がらせてみたい。
そして、それが「働く覚悟」と等価となれば、設計者としてこれほど嬉しいことはない。
工場が立ち並ぶ地域に建てるため騒音や視線が気になる。
完全に閉じているコートハウス。光と風の取り入れ方を工夫
「どうせ白で行くなら、混じりっけ無しの白で」 クラアントの言葉通り、真っ白な外観です。 2階の洗濯干しに光が届くよう、西壁の角度をデザインしましたが、基本は中庭に開くコートハウス。
敷地に余裕があれば、コートハウスは常に強い選択肢になります。 LDK、和室がこの中庭に面しています。プライバシーが保たれた外部を持つことが、コートハウスの大きな価値です
プライバシーを確保し、光の反射板としての役割もある中庭に面します。
このファミリースペースは、3つの子供部屋の中央にあります。 トイレと手洗いも備え、兄弟が自然に顔を合わせるような、空間になればと思っています。 トップライトから落ちる光が、価値を高めてくれるはずです。
小さいうちは一緒に。成長と共に変化する子供部屋です。
この家は、寝室前のバルコニーが広く、12畳強ありますが庇を深くしています。 寝室内にも、簡易な物干金物がついており、気持ちよく洗濯物が干せるはずです。
トラックの通行量が意外に多く、北と西の道路側を閉じたのですが、のっぺりした外観にはしたくないと考えました。
・なんていったって、唯一無二でカッコイイのが最高に良いです。
・普段、家の北側の道路は大きなトラックが走っており、交通量も多いです。それを気にすることなく生活できることがとても気にいっております。
・元々、大きな建物に囲まれている敷地なので太陽の光を求めるのは難しいかと考えていましたが、守谷さんの設計のおかげで十分、光が入ります。
・庭でバーベキューができる、またホットプレートなどで簡単な 鉄板焼だって外のコンセントを使って可能なので、臭いを気にせずできます。