世田谷区内の閑静な住宅地に建つ木造住宅です。
敷地南側にアパートが建ち、東と西には隣家が接近し、北側が道路に面する南北にやや細長い敷地です。
家づくりにあたって建て主の方が最も重視、ご要望をされたのは、
「陽当たりの良くない敷地ではあるが、明るく陽差しを感じる家」
「日常の生活の場としては、1階だけで過ごせる家」
「まだ小さなお子様の様子を家のどこにいても把握できる家」
というものでした。
そこで、南側からの採光を重視するのではなく、空から光を採り入れる家としました。
家の中央部に2坪弱の吹抜(トップライト)を設け、ここから全ての部屋に光を採り入れると共に、風が抜け、各室の自然な換気がとれる家としました。
これにより日常の時を過ごす1階部分の採光・通風の環境が良好なものになると共に、 1階、2階の各室がつながり、家中の気配を感じることができる家としたものです。
<天空光の家>
採光条件の良くない敷地や外部からのプライバシーを重視する家等において、窓からの採光よりも空(トップライト)からの採光により、「明るく風通しの良い家」とする、こちらの事務所で採用する事が多い手法です。
これを「天空光の家」と名付けています。
この住宅の配置図です。 北側の道路以外は3方が隣家に囲まれ、採光条件があまり良くない敷地での計画でした。 家(屋根)の中央部、ふたつの四角い部分がこの家のトップライトです。
家の中心部に空から自然光を採り入れて家の各所を明るくすると共に、煙突効果による自然な空気の流れをつくる断面計画です。
道路から直接家の中が見えないようにした玄関です。 玄関ポーチにはベンチを造り、手荷物の一時的な置き場として使用できるようにしました。 玄関の内部は収納を優先して大きな壁面収納を設けると共に、正面にはクロゼットを設けています。
リビングよりダイニング超しに南庭を見た写真です。 リビングとダイニングの間に設けた吹き抜けは約1.5坪程ですが、充分な光が降りそそぎます。
ダイニングよりリビングを見た写真です。 左手はキッチン、キッチンの奥は書斎コーナー、更にその奥を水廻りの諸室としています。
キッチンからダイニング越しにリビングを見た写真です。 正面左手は玄関からリビングへの入口の扉、その左が2階に上がる階段です。 キッチンから家全体の様子を感じることができるようにした構成としています。
書斎コーナー側から見たキッチンです。 キッチンの奥は、花粉の季節に外干しができないこの家のご家族のために設けた洗濯室、兼室内物干し場(サンルーム)です。 脱衣場からの衣類をここで取り出すことができるようにしているのもこの家の特徴です。
南に面した2階の子供室です。 将来は2室に分けることができるようにすると共に、部屋の北側はトップライトのある吹抜に面するものとすることで、南から北に風が抜けることができるようにしています。 写真の右上は天井の高低差を利用して天袋収納を設けました。
この家の主役ともいえる大型のトップライトです。 ひとつは電動による可動式のものとしています。
北側の道路面の外観です。