この住宅は、杉並区西荻の住宅地に建つ若いご夫婦と3人のお子様の住まいです。
「30坪弱の家に子供室を3室設けながらも、家族が集まる場所はできるだけ広く」
「1階のリビング廻りをはじめ、各所に明るい陽射しが入る家」
というご要望に応えるようにした住宅です。
課題としては今日の住宅における典型的といえる内容です。そこで廊下をできるだけなくし、各所を機能的・合理的につなげる平面計画とすることにより限られた面積を有効に活用するようにすると共に、敷地における部屋の配置や窓の設け方を工夫した住まいとしました。
また、厳しい北側斜線制限のある敷地において、アーチ状の屋根とすることで、できるだけ広い室内空間を確保するようにしたことも特徴の家です。
床や造作材はできるだけ無垢板を使い、その他の材料もコストの許す範囲で木材を、壁材や塗料等も自然素材を多く使った家です。
隣のご両親の家と連続するアプローチです。 正面のアルミ庇の奥の軒下が玄関ポーチです。
L型に壁面収納を設けた玄関です。 「3人のお子さんが忘れ物をしないように前日に荷物を置いておく棚を設けたこと」 「ゴルフバックを入れる奥行きのある部分を設けたこと」 「郵便受けを兼ねる棚としたこと」 「扉の裏面にスリッパ掛けや靴磨き用具等の為の棚を設けたこと」 が主な特徴です。 ハイサイドライトと棚上に設けた間接照明により、柔らかな光に包まれる場としました。
たたみコーナーを併設したリビングです。 ダイニングはそのたたみコーナーの脇に配置し、リビングとは雁行させることで、 視線はつながりながらも独立したスペースとしました。 写真はリビングより正面のたたみコーナーを見たもので、たたみコーナーの左手がダイニング、その奥がデスクカウンター、手前がキッチンという構成です。 畳の下部には全面、収納ボックスが格納されています。
写真はたたみ部よりリビングを見たもので、右手がキッチンです。 キッチンカウンターのリビング側は、リビングで使用するさまざまな小物類を収納するための棚としました。 正面の壁の右手が2階への階段です。
キッチン脇のダイニングと家族共用のパソコンコーナーです。 写真はキッチンよりダイニングを見たもので、正面は家族共用のパソコン用のデスクカウンターです。
この家では階段の下部を引き出し収納としている他、たたみコーナー(3畳)の下も全て収納場所としました。 キャスターを用いた引き出し形式の収納です。
この家では、2階の廊下を洗面コーナーやお子さん方共用の荷物や作品等の収納・展示台等と兼用することで、省スペース化をはかっています。 写真は廊下脇に設けた洗面所から階段室を見た写真です。 後方には洗面脱衣室と浴室がありますが、この高天井の洗面スペース天井面には電動のホシ姫さまを設置しました。
2階の主寝室は階下のリビングや玄関廻りの気配も把握しやすい場所としました。 面積的にウォークインクロゼットを設けることが困難だったことから、壁面収納形式のクロゼット(高さ3.3m)を設けました。 アーチ状の天井が空間を柔らかく豊かにするようにしました。
日中、家にいる機会の多い3人の子供さん方の部屋は、全て南面に設けました。 ひとつは将来2室に区切ることを前提とし、それぞれ小さな部屋なので全ての部屋に大きめのロフトを設けました。
西側道路とは反対に東側道路は近所の子供たちが遊んでいるような道路です。 車も入りにくいこの道路に対しては比較的オープンな家としました。
ご無沙汰しております。
冬も暖かい室内で快適に暮らしております。
(↑築後数年が経ち、頂いた年賀状に書かれていた一文です)