駒沢公園にほど近い、目黒区八雲の住宅地に建つご夫婦とふたりのお子様が住まわれる木造2階建ての戸建て住宅です。
パリに在住経験のあるご夫妻から、日ごろの作風というよりもむしろ家づくりに対する姿勢をご評価頂き依頼を受けた住宅で、当事務所としては初めてといっていい「ヨーロピアンテイスト」の住宅です。
洋風とはいっても、基本的な平面計画や構造、収納、設備等に対する考え方は、あくまで当事務所の基本スタイルであるシンプルで合理的な考え方によるものです。
敷地面積は約24坪。
ビルトイン形式の駐車スペースとロフト以外の床面積は30坪弱。
敷地の制約やご主人の仕事上で欠かせない書斎を設ける必要がありましたので、居住スペースはどうしても手狭になりがちな計画ではありましたが、
・廊下を可能な限り少なくする
・天井の高さを利用して空間に変化を持たせる
といったことにより、可能なかぎりゆったりとした場をつくるべく計画をしたものです。
「小さな敷地での家」
「2階リビング」
「自然素材による内外装」
「ヨーロピアンテイスト」
といったことがこの家で求められたことであり特徴です。
平面計画としては、
「駐車スペースと玄関とは分離することで落ち着きのある玄関アプローチに」
「各諸室は広くなくても、家族が集まるリビング廻りは可能な限りゆったりと」
「子供室は将来平等に区切ることができるように」
「ご主人の書斎は外が眺められる位置に」
「キッチンは独立した機能重視の場に」
といったご要望に応えたものです。
仕上げは、白壁の内外壁ともスイス漆喰、床は全て無垢材に亜麻仁オイル、その他木部はリボス塗といった自然素材を用いた家です。
<外観>
登り坂のアイストップとしての存在感を意識した外観、弓型の出窓が特徴です。
外壁は、室内と同じスイス漆喰塗りで仕上げています。
地理的なこともあってか、TVドラマの撮影でも依頼があって使用されました。
玄関内部の写真です。 玄関扉は鋸目加工を施した無垢板貼の建具を製作しました。
このお宅では、各諸室は多少狭くても家族が集まるリビング廻りはできるだけゆったりとした場所にしたいというご要望でした。 2階のリビングということもあり、法的に許される高さの屋根の形態をそのままリビングのスペースとして利用。 局部的に季節物等の収納用のロフトを設けたリビングです。 また南西の角の2階に位置することから、 西日対策として、南から西側にかけての開口は限定した大きさとしたり、断熱性能の高いガラスを使用したものです。 写真は階段室からリビングを見たものです。
リビングからダイニングを見た写真です。 ダイニングの上部は小屋裏収納。 左手はキッチンで、配膳は可動式の配膳カウンターを利用するものとしています。
写真はダイニングからリビングを見たもので、正面奥は子供室です。
ダイニングからリビングとその奥の子供室を見た写真です。 ダイニングのアーチ型の出窓は、外観上も特徴的なものとなっています。
ダイニング脇の独立したキッチンです。 写真の正面はサービスバルコニー。 右手の棚をダイニング側に開くことで、配膳カウンターになります。
1階の主寝室です。 窓はマーヴィン製。 防犯の為、室内側に板戸を設けています。
1階の書斎です。 家で仕事をすることが多いご主人からの「玄関に近くに書斎を設けたい」とのご要望に応えたものです。
2階のリビングの奥に設けた子供室です。 将来は2室に分けることができるようにというご要望に応えた部屋です。