著者:やまぐち建築設計室(建築家・設計事務所/奈良県)
2024-02-02更新
- 二階リビング
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- 奈良県の土地
- 家を建てる
- 二階リビングのメリット
- 建築家
- 設計士
2階リビングのメリット・デメリットを知って、
暮らしを想像するように。
木造住宅の場合は特にですが
建物の構造的な事からも
比較的開放感を
持たせることが出来る
2階リビングについて。
2階リビングの
メリット・デメリットを知ることは、
実はとても大切。
採用する、
採用しないに関わらず、
将来の暮らしを考える
良いキッカケになるからです。
まずはメリットから。
2階リビングのメリットは
遠くの景色を取り入れやすい事。
1階だと、
ある程度視界が限られてきますから
条件がよっぽど適した場所でなければ
なかなか遠くの景色を
楽しむことは難しいです。
なので、
敷地内に庭を設けたりして
緑を愉しんだりするのですが、
広い庭を確保しにくい土地、
住宅密集地では難しい。
近くに公園があれば、
その緑を眺めるように。
周りの家と家の隙間から
空が見えれば、
そちらに向かって窓をつくったり。
高台であれば、
遠くの山の稜線を眺めるように。
2階に上がることで、
切り取る景色に幅が広がります。
狭小地でなくても、
遠くの景色を取り入れるために
2階リビングにすることもあります。
遠くに山の稜線が見えれば、
自分の庭に植えた
植栽と繋げてみたり「借景」としても
風景の範囲が一階とは異なります。
シンボル的な広域の風景を
眺める大きな窓を設ける事も
開放感を生み出す過ごし方。
住宅街でも
比較的光を取り入れやすいという事。
リビングは明るい方がいいですか?。
住宅地では
お隣の家の影が
自分たちの敷地にもかかってきます。
そして当然ですが、
低い位置の方が影の影響は
大きいですね。
そこで、
明るくしたいリビングを
2階にもってくるという考え方に
繋がる訳です。
狭小地での駐車場・駐車スペースを
確保するのに最適。
当然ですが車が入ってくるのは道路から。
敷地の道路側等には
車を停めるスペースが必要です。
奈良県は特に
交通網の観点からも
マイカーでの移動が多くなります。
家族の環境変化も考えると
2台分は確保したいところ。
でも、
家を建てる敷地が広いとは限りません。
駐車場スペースにも
限りがあります。
そんな時に、
2階をリビングにして
1階をビルトインガレージ(インナーガレージ)として
計画する事で、
車庫を確保しつつ、
住宅の居住面積も
出来る限り確保できるように。
更には車から雨にぬれずに
玄関へ行けるという+αの
メリットも付いてきます。
2台分のビルトインガレージの上が
LDKというスタイルで
ホームエレベーターでの
上下階移動も
将来的な計画として視野に
間取りを考える事も重要です。
坂道が多く、
平坦な場所が少ない地域も
奈良県の山間の住宅地では多いです。
土地を小間切りされた
狭小地も意外と沢山あります。
工夫次第で
平屋のような暮らしができる
生活の主たる部分を
同じ階にしてしまえば、
1日の殆どを1フロアで過ごせるので、
平屋に住んでる感覚に近くなります。
2階にリビングを持ってくる場合、
リビング以外の部屋も一緒に
2階にもってくればそれが可能です。
2階にある平屋のような暮らしも
注文住宅での価値観のひとつに。
2階リビングのデメリット(回避可能)
家事動線は「水平動線」が基本良い。
家の条件の中に
必ずと言っていいほど
入る項目だと思うのが、
家事がしやすい家。
家づくりを考えるときには、
こだわりたい項目になるかと思います。
特に気を使いたいのが、
洗濯動線
「洗う→干す→たたむ→しまう」
間違えて、この動線が「上下動線」になってしまうと、
一気に家事が大変な家になります。
例えば、1階で洗濯して、
1階に室内干しのスペースを
計画していなかったら
2階のベランダやバルコニー
又はリビングの一部で干して、
たたんで、
1階の寝室のクローゼットにしまう。
洗濯物を持って、
階段の昇り降りって大変ですよね。
浴室・洗面脱衣室・物干し場・収納はセットにして、
近い位置関係や移動しやすい間取りで
配置するのか、
別の位置関係で
配置するのかを決めることが大切。
自身の家事効率を
どのようにイメージするのかで
随分間取り計画や
住み始めてからの暮らしが変わります。
やむを得ず家事空間を
分解しないといけない時でも、
上下移動が比較的単純に済むように。
家族構成や暮らし方で
1階2階に配置する部屋を考える。
メリットの所でも説明しましたが、
生活の主たる部分を1フロアにまとめると、
一気に暮らしやすくなります。
では、「生活の主たる部分」って
一体何の部屋なのか?
その答えは家族によって異なります。
以下に2つ例をあげます。
1:家づくりの際、既に子供が大きい時。
現在の住まいで
一人部屋を既に持ってる場合も
同様だと思いますが、
この段階での暮らしにとって
子どものプライバシーを
確保するということも
ポイントになってきます。
その場合は、
子ども室を生活の主たる部分から外して、
1階に計画する事も考え方のひとつです。
2:家事をしながら
子どもの様子が分かるようにしたい時。
この場合は、
LDKと子ども室で
視線が通る方がベストです。
なので、
例1とは異なり、
子ども室として活用できるような
スペースをLDK近くに考えて
予備的空間を設計して
「生活の主たる部分」ということを考えて、
それ以外の部屋を
1階に計画する事もあります。
例えば、
水回り(洗濯動線は崩さない)だったり、
寝室や書斎だったりが
1階に配置する部屋の候補になります。
ここを見誤って、
家族に合わない間取りになってしまうと、
暮らしにくい家に
なりますから要注意です。
2階リビングのデメリット(不可避)。
階段の昇り降りを考える。
リビングが2階ということは、
家に帰ってきて必ず
階段を上ることになります。
毎日の階段、
出掛ける時も階段、
お客様が来ても階段、
若いうちは大丈夫でも、
年齢を重ねるごとに心配にもなります。
でもデメリットをちゃんと理解すれば、
対策は出来ます。
ここでの対策は、
最初のプラン作成時に、
必ず検討することがあります。
このブログの最初に書いた
ビルトインガレージ計画の内容に
将来的にホームエレベーターを
設置できる場所を設けておくこと。
いざ、
改築やリフォームする時に
最小限の工事で出来る様な構造にしておけば、
工事期間も短く、
費用も抑えることができます。
将来への備えは、
ある程度今から
考えておいた方が得です。
損はしません。
少し先にある将来の暮らしを
想像する事。
メリットを活かしつつ、
注意点を守って、
デメリットにはしっかりと
対策案を考えておけば、
将来までも不安の少ない
暮らしが想像できます。
身体機能が衰えた際には
ホームエレベーターで
上り下り、
上がったらそのまま
寛いだり料理を楽しんだり、
居心地の良いリビングや
ダイングを味わう。
外の景色を眺めながら
くつろいで、
お風呂に入って
夜の時間をゆったりと過ごす。
最初は子ども達が使ってた
2階の部屋が夫婦の寝室に変化したり。
1階にあった主寝室は
孫を連れた子ども達が
帰ってきた時の部屋、
ゲストルームに変化したり。
そんなふうに
可変性も持たせた
素敵な暮らしが見えて来ませんか?。
ここで書いた二階リビング(LDK)の
考え方は
2階リビングに特化したこと
ばかりではありません。
平屋でも1階リビングの2階建てでも、
3階建てでも
同じことがいえますから
家造りや間取り計画のご参考に。
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