まず「主たる居室」=LDKの面積、住宅全体の床面積入力し、地域区分5を選択、外皮面積の合計は289.33m2と入力。
このソフトにもちょっと慣れてきました。
次に外皮平均熱貫流率の入力で、外皮の熱損失量の合計を外皮面積の合計で割算した数値です。
外皮の熱損失量の合計124.24w/kを、外皮面積の合計289.33m2で割ると
124.24w/k ÷ 289.33m2 = 0.429Ua
地域区分によって基準値があるこの数値、少ない方が高い評価を得ます。
5地域の基準値は0.87Uaなので、はなあふ家の外皮平均熱貫流率0.43Uaはかなりの高水準。1・2地域(北海道)の基準は0.46Ua、北海道の基準もクリア!
次に規定の日射取得量を外皮面積で割る公式に従い、暖房期と冷房期の日射取得量をそれぞれ2.7η(イータ)AH、1.62ηACと算出。
外皮の後は住宅設備機器の省エネ性能です。
冷房や暖房の方式では、「部屋ごとか、全館か?」の選択があります。
何を指すかといえば、一般的な壁掛けエアコンか、一つの空気調整機で作った適正温度の空気を屋内すべての空間に行き渡らせる全館空調方式か、という意味です。
部屋ごとにエアコンを設置する一般的な方式と違って、全館空調はダクト方式の第1種換気にエアコンを接続して、温度調整した新鮮空気を給気ダクトで各空間に届け、排気グリルから集めた汚染空気は排気ダクトを通って排出します。
この全館空調を「はなあふ家」は採用しています。
この方式のメリットは、屋内すべての空間がいつも一定温度に保たれる快適さ、壁掛けエアコンが見えないデザイン性、エアコン特有の音や空気の流れを感じない静けさ、温度調整の副産物か湿度も安定するようです。
夏も冬も、我慢が必要な温度になる前に温度設定しておけば、室内はいつも楽園状態に保てます。ペットがいても安心ですね。
換気扇はもちろんダクト式第1種換気で、給湯器はエコキュート、機種名や「JIS相当効率」などを記入します。
給湯熱源から給湯先までの配管方式や分岐先の配管径、照明器具の種類まで記入。
「はなあふ家」は太陽光発電やコージェネは装備していないので、数値の入力を終えたら計算ボタンをクリック。
すると「エネルギー消費量」の表が出現し、
「この住宅の基準値は、現行の規定で100.5GJ、H28年以降の基準なら92.3。」
「入力された数値で判定すると、この住宅のエネルギー消費量は67.2GJで、いずれの基準をも下回りました。」
「その他を除く設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で割った省エネ指標のBEIは0.6、住宅の誘導基準値0.9を下回りました。」
との結果が得られました。
これらを元に「BELS」建築物省エネルギー性能表示制度で星の数を算定。
満点5つ星で、5つ星の評価を得ることができました。
この住宅では、設計一次エネルギー消費量の40%削減を達成しました。
これこそ次世代型住宅だと、ご依頼者の選択に脱帽です。
3~5kw程度の太陽光発電を設置すると、あと20〜30%評価が積み増しになります。
環境貢献に関しては国際社会での責任も問われ、社会状況からは幸福のあり方について考えざるを得ないいま。
住宅の省エネ性能は、様々なことを考えるきっかけになりました。
このコラムは、注文住宅を計画する方の参考になることを目的に、アーキシップス京都の経験に基づいて書き下ろします。
トピックス、技術、経験の内容は、主観に基づくことをご了承ください。